こんなでも世界五位
「……と言う訳で俺は世界五位だ」
「えぇ……」
「前に言ってたでしょ」
いやホントに……何?ここにルーがいなくて良かった……多分この場所にいたら死ぬほど面倒なことになってただろうからな。事実こいつヤバいし。全然話してないけどもうアレだし……。後警官に関しては話を一通り聞いた後帰っていった。神奈川県警かよ……。
「とりあえず飯奢って?」
「おう、上のは無視して構わん」
「はぁ……」
なんだか相方の扱いが雑じゃない?上のもそれで満足してるっぽいけど……それよりも問題は一つ、今どうしてこの場を切り抜けるか、だ。元々こいつとはそんなに長く話している気はなかったのだが、なぜか話しているとこいつのペースに乗せられる。
「まぁ俺帰るから……好きにすればいいんじゃない?」
「じゃそうさせてもらう。しかしどうするかなぁ……」
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「それでどうするの~?」
「知るか。なんだか知らんがスラムとか言う場所があるんだろ、そこで寝泊まりするぞ」
「えー!ヤダ!」
「文句言うな!そもそも俺らには金がねぇんだよ察しろ」
「むー……なんか無いの?」
まぁ策が無いって訳じゃない。と言うのも俺はこのガタイだ、探せばバイトでも見つかるだろ。うんあるな日雇いバイトが。とりあえず肉体労働は普通にするとして……。問題はこいつだ。
「今日はこれをして金を稼ぐ。お前はどっかで食いつないどけ」
「えー……」
「そんな顔をするな!俺だって厳しいんだぞ!」
「むー……」
ようやくわかってくれたか……さてバイトに向かうとするかな。
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「しかし……今日も完売だな」
「ですねぇ。あっ今日は上がりますんで!また明日!」
「おうよろしく」
やはりハギスは旨いのだろうか。今日も買った分完売したぞ。早速故郷から肉を取り寄せて……っと?なんだガキが一人で歩いてやがる、こんな夜中に危険だとは思わねぇのか。私も大概だがな。
「おいガキ」
「何」
「んでそんなとこで一人でいるんだ?」
「捨てられた。しょんぼり」
なんで捨てられてんだか……ったく、しょうがねぇなぁ……。
「おぉそうかい。よかったら私の家に来るか?ガキ一人来れるだろ多分」
「ホント!?」
なんかムカつくなこのガキ……まぁいい、どうせ今日も一人で寝るくらいなら無害そうなガキでも一緒に寝かせればいいか。あのアホは毎日どこで何やってんだか。たまに来たかと思えば『結婚しないかい?』とかほざいてくるんでボコボコにしてるんだが最近全く来ねぇんだよなあいつ。
「ほら来い」
「わーい!」
はぁ、物騒な世の中になってるなホント……私はまぁ金があるからいいとしてさぁ、こういうのはどうかと思う訳だよ。ホント。いやもうこうなってくると何が悪いのか分からんけどな。
「それで?こっからどうするよガキ」
「寝る」
「そう。じゃ、そこに布団があるから早く寝な」
「はーい!」
全く、捨てた野郎に出会ったらボコボコにしてやろうか……いや、これ疲れてるな。寝よ。
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