両手で数えて二番目の奴


「チッ、タバコがもう無いじゃねぇか」


「火ならあるぞー」


「……お前から出る火はなんかヤダ」


「じゃあお預け」


「……」


この世界には若干だが魔法が使える奴がいる。かくいうこいつもその一人。と言っても指先からマッチ程度の火を出す程度しかないのであるが。なんで俺に付いて来てるかって?拾ったからな。


「そんで?今度はいつ行くの『世界五位』」


「名前で呼べ『テュラ』」


俺の名前か?確かに世界五位だ。まぁ正直名前忘れたから世界五位って呼ばせてるだけの話だがな。この女はテュラ。よく分かんねぇ奴だ。いわゆる捨て子って奴なのだろうな。


「じゃあさっさと行こ、日本!」


「……お前ここどこだか知ってるか?」


「どこ?」


「アフリカ」


「……なんでいるんだっけ?」


「お前がリアルの象を見たいとか言い出すからだろうが!なんで俺がお前に付き合わなきゃならないんだ!?まぁそのおかげで楽々トーナメント戦勝利してなぜかアフリカ代表にされたがなぁ!」


アフリカでも普通にゲームがあるとは……いやこれは偏見だな。と言うよりここの奴らレベル高いから結構苦労したぞマジで……まぁ俺らほどではないが。世界五位なめんな!


「んでその世界五位クンはいつ日本に行くの?」


「うるせぇまずはチケットが先だろ」


「何言ってるかわかるの?」


「分からねぇからこう苦労してんだろうが!?ほら見ろ!よく分かんねぇぞ名前も!」


「象は美味しかったけどねぇ。象牙いる?」


「返してこい野生に!」


「えー」

_______________________


「世界五位が日本に来るか」


「あいつ今アフリカにいるんじゃなかったっけ?」


「何でアフリカに?」


「世界五位か……」


俺そう言えば世界五位に関しては何にも知らねぇんだよなぁ……まぁ五位以下全般がどうでもいいって言うか……眼中にないって言うか……


「まぁいいや、しかし世界五位って誰なんでしょうか……」


「あ?」


「アッ世界一位だ」


何でこんな場所にいるの!?と言うよりなんか凄いこの辺の地面がへこんでるんだけど何これ何があったのマジで!?えっまさか……落ちてきたのか?!


「密航はするべきじゃなかったな……」


「そうでもしないと帰れなかったし結果オーライ!」


「俺は地面に叩きつけられたんだけどな」


えっデッカ……デカすぎでしょコレ……マジで……あの金よりデカいんじゃねぇのこの大きさは……なるほどこれが世界五位。


「やぁ世界一位!僕はテュラ!んでこっちが世界五位」


「俺は世界五位呼ばわりか……まぁえぇわ、とりあえず俺は色々あって密航してきた」


「もしもしポリスメン?」


「おい通報するんじゃねぇ!」


「ちょっといいですか」


「早い!」

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