鎮め方は人それぞれ


「うぅどうするんだよあいつ今日も抱き枕に来るぞ……!」


なんで俺は今朝軽々しく抱き枕に来て良いって言ったんだ?!バカかな!?バカだわすまん。と言うか抱き枕に来るって何?しかしどうする?このままじゃ襲い掛かってしまうかもしれん……それはまずい!ヒッジョーにまずい!どのくらい不味いかって言うとゲロのウンコ茶漬けくらいに不味いってそれは味じゃボケ。


「駄目だ思考が支離滅裂になってきている!」


こうなればもはややる事は一つ……ゲームだ!俺にはいつだってこれがある!という訳で今回はヘッドフォンセットを用意……こいつを奴が寝た後に使い煩悩を滅却する!


「さぁ!一緒に寝まショー!」


「あぁいいぞ存分に抱き枕として来い」


ゲームやってりゃ大丈夫だから。大丈夫大丈夫。さーてバレないようにログインして……はいどうも深夜にこんにちは。でも深夜帯に人はいないか……むしろ見知った人物しかいないと言うか、ガチ勢のたまり場になってるよね。


「しかしやっぱ深夜帯じゃ人いねぇなぁ……」


「やぁ」


「うわっ!?……あっ『ペンス』じゃん元気だったか?」


「うん。そっちは?」


「まぁ……ぼちぼち?」


しっかし久々にペンスに出会ったな……こいつ深夜勢だっけか?でも平日にもログインしてるしな……俺もか。実際こいつは世界三位ちょいの実力がある……まぁここで出会ったのもなんかの縁。久々にペンスと戦闘するか!


「と言う訳でやるか!」


「主語」


「っと、すまんすまん。ゲームと行こうじゃないか!」


「ん。了解」


~五試合経過~


「疲れた……」


「負けた」


怖いんだよなこいつとの戦闘って……何食わぬ顔で即死コンボぶっ放してくるからマジ集中しないと一ラウンド落としかねないんだよなマジ……ま、当然ストレート勝ちだけどな!全一なんで!


「強い」


「まぁな!そっちも十分強いって!」


「……ども」


……もしかして今の皮肉みたいに受け取られてない?間違いなく受け取られてますねはい。反省しなきゃ……。王には王の風格と言うモノがあるが、俺にはそれが無い。どうも相手の上を取ろうとするクセがあるんだよなぁ……。


「そうだ。ねぇ部屋ある?」


「えっ何いきなり……?」


「日本行く事になった。でもホテル高いし面倒」


「あー……別にいいよ俺の家まだ空きあるし」


「ん。じゃあ行く。家は分かるから大丈夫」


えっ待ってなんでわかるの?と言ってもそんな早くは来ないみたいだけどねぇ……一ヶ月後か。すぐだな。しかしこんなことをあいつに言ってもそんな大したことじゃないか……一人増えたところで困ることもあるまい!


「ちなみになんで来るの?」


「……知らないの?これのダブルス大会が行われるよ」


「……え?」


ちょっと待ってこれマジ?俺何にもまだ来てないんだけどキレそう。まぁ来るでしょそのうち。少なくとも俺かあいつに来るよメッセージが……うん、来るよね?来ないって訳ないよね?


「じゃあ大会でね?」


「あぁそうだな……んじゃ会場で会おう!」


じゃあログアウトするか……


「あらもう朝!」


これマジ?時間の流れが早すぎるでしょ……

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