緑あふれる豊かな国、アデリシア王国。華やかなその裏で行われる重罪人を裁き死へと誘う『処刑戦』。コロシアムに観客を入れ、まるでショーのように行われるこの処刑を執行する青年とそれを見る王子。
絶対に出会うことがないはずの二人が出会ったとき、過酷で優しい物語が始まる。
この物語の魅力は何だと聞かれれば、かつて王子であった主人公の弦義が、家族も国も全てを失った絶望的状況においても尚、失わない人としての優しさと、素直さを持っていること。そして、その人柄に多くの人が惹かれていく過程だと答えます。
その魅力によって、序盤は辛く苦しい状況から必死に掴んだ微かに灯る希望の光が徐々に大きく、そして増えていくことに、読み進めれば喜びを感じられると思います。
生い立ち、人間関係や立場に葛藤しつつ乗り越えて強くなっていく。信じられる仲間が増えて、ピンチも乗り越える。そして鮮やかで迫力の戦闘!これらファンタジーの要素をふんだんに含んだ物語、オススメです!!