第11話 因果応報とジョーク

 年末ごろに担任が体調を崩して入院した。

 腹の中ではざまぁみろと思った。神や天を信じてはいないけど、天はちゃんと見ているんだなと思った。 

 やったことが返ってくる。これは自然の摂理なのだと思った。

 すぐに退院したようだが、憔悴しきっていた。私がそれを十年以上経験しているよ、というようなことを言った時、やっと少しはこちらのことを理解をしてくれたようだ。

 人間、経験しないと分からないものだ。

 

 余談だが、病院に行って診断してもらったことを報告すると、手のひらを返したように態度が変わり、人間はおもしろいなと思ったものである。


 二年次の実習でのこと。集合場所にいた担任が服と帽子を新調していて、リッチな服装になっていた。 

 ブラックジョークとして私は言った。

「オシャレ頑張ってますね」

 服選びにさく時間や労力のコストを、自身のスキルアップや人間性の面には費やさないんですね、という皮肉だったのだが、言い方が良くなかったのか通じなかった。そのまま受け取られ、謎に喜んでいたので滅入ってしまった。

 伝わる言い方をするのは難しいと改めて感じた。

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