第10話 学校なんて嫌いです 

 どんな種類の学校でも合わないものは合わない。それが結論だ。

 この学校で学んだことがいくつかある。


 ・悪いのは子ども。

 ・年齢=それ相応であるものだ

 ・許せない人は許さなくていい

 ・先生はどこにいっても基本不本意なことを言うが、中にはいい先生もいる。

 ・外に親を求めてはいけない。

 ・人を頼る練習として、なんでも聞いていいわけじゃない。

 ・外にいる人は普通の人だと思われる。

 ・早く対処しないと人を本気で殺しかけるor死にたくなる。

 ・反動で攻撃的になり、加害者になる。

 ・先生は加害者の自覚がない。

 ・人を変えるものではない。自分を幸せにすることだけを考えればいい。

 ・先生は意外と一人一人見てはいる。

 ・九九%嫌な先生でも一%くらいは良いところがある。

 などなどである。

 

 まず、学校案内の担当の人の言動があり得なかった。数名の人に話を聞いた。そのうちの一人は親のせいで夢が叶わなかったらしいが、今では結婚して親と和解して、関係が良好らしく「ゆくゆくは親の介護ができる」と言い出した。親と和解する方に持っていきたかったらしい。これを聞いて肩を落とした。世の中どうして親と絶縁=幸せにならないのか、親問題なら任せて=和解なのか。不思議でしょうがない。

 問題は二人目だ。

 この人は「三十歳にもなって『ママ』と言うの気持ち悪くない?」と言っていた。こっちからしたら、そんなこと言うあんたの方がよっぽど気持ち悪いよと思った。

 おそらくだけど、その子どもは親に支配・束縛されていて自我を出せなかった。だから親に依存せざるを得ないのではないだろうか。子どもの背景には必ず親がいる。その人の影響を考えてものを言って欲しいものだ。

 この時点で危険レーダーがかなり働いていた。しかし、外は外、中は中だと思い気にしないようにしていたのが悪かった。外が外なら中も中だったのだ。

 三人目の人は個人談を聞かせてくれた。これといって不快な部分はなかった。

 これだけの情報で、明らかにおかしいところだと分かるが、当時の自分は学校に行ってないのが不安でそれを解消したかった部分もあり、道を間違えてしまうことになる。

 外の質=中の質とは限らないけど、外の人が怪しい場合、中の人の質も充分観察した方がいい。

 それと、毒親育ちだと情報弱者になりがちだからこそ、よく調べて学費を出す価値があるかどうか考えた方がいい。断るのが苦手な人もいるかもしれないが、流されずにNOと言えるようにしよう。一人生徒を確保できないからといって破綻はしないだろう。経営が苦しい場合でも、自ら犠牲になりに行く必要はない。選んでいいのだ。


 次に担任の先生が論外だ。

 世間体を気にする、トラウマなんかすぐに忘れたらいいのにとか平気で言い出す、昔いた生徒さんで計算が困難な人に「生きていけると思えんけどな」などと言って差別する、親には感謝論を振りかざす、『大人』を強要する、下手な生徒を見下して上手い人と比較するなど。

 教師としてあるまじきレベルである。

 また「こういう人は見捨てるよ」と言っていた。現場で通用しない人は相手にしないと言いたいのだろうが、個人的には「私は人を育てる能力がありません」と言っているようなものだと直感した。

 もう一人の前年まで担任をしていた人も同じく「見捨てます」と言っていたので、さっさとこちらから見捨てた。

 担任と前担任の主要二人を即座に見捨てたのは賢明な判断だった。

 担任は見事にボロが出て、生徒が他の先生の授業でグチをこぼしていた。後輩もだ。

 ただ、無視を決め込んだのはいいが、通知なども無視していたため目をつけられてしまった。

 なにがなんでも関わりたくない人も、最低限は関わっておかないと面倒なことになると学んだ。後にネットで同じようなことを見かけて、早く知りたかったと思ったものである。


 一年間だけの生徒もいて、その中には過去にトラウマがあり、引きずっている人もいた。

 ある先生は非常勤で、事情を知らなかったのか、その生徒にきつめの口調で言ってしまい、その生徒が外に出て行ってしまった。

 明らかに無神経な先生の発言のせいだが、当然本人は気づいていないどころか出て行った生徒が悪いかのように「なんで出て行ったんやろな」などと平然と言っていた。周りの生徒も「なんでやろな」と言っていて、ブチギレかけたがぐっと押さえた。今思えばブチギレてよかったんじゃないかと思う。

 その生徒はその後ほとんど来なかった。

 そりゃそうだと思うが、肝心の先生といえば「普通は学校に来る」と言っていて呆れてものも言えなかった。


 別の先生は根明な性格で、鬱などがわからないタイプだった。この先生は口では「(困っている生徒を)救いたい」と言っているが、結局はスキル重視で初心者の人に対して「うまくないけど」と平気で言っていた。「人間性がうまくないですね」と言い返してあげたい。


 そして前年まで担任だったイラストの先生。

 この人は無神経の達人だった。

 高校でもそうだったが、何かやってきているもんだと思っていたようで「何やってきたん?」と平気で言ってきた。家の戦場を知らない平和な人の発言だ。その人が根っからのお坊ちゃんだったら、まぁしょーがないかで終わるのだが、その人も親と色々あったタイプだったから許せなかった。

 子どもには、不快なことをねのけれるタイプと撥ねのけれないタイプが存在していると思っている。

 この人は撥ねのけれるタイプで、やりたいことをやってこれたようだ。

 正直、厄介なタイプだ。撥ねのけれる人はそうでない人のことがあまり分からないだろうから。そういう人は、無気力・放心状態が理解不能なのだろう。ましてや家の戦場で疲弊していたなど想像もできない、典型的なタイプだ。

 この後も、何かをやってこれた生徒をさして「あの人は〇〇をやってきてたから(ソフトに笑いながら)」など、精神のレイプが続いた。

 アプリのレコーダーで音声を録音して、警察に行こうかと思ったけど、これくらいのことは多くの生徒が我慢することではあるし、なにより今までの生徒が告発などをおそらくしていないので、例にならってやめておいた。

 ダメ元で警察に行けばよかったかと今では後悔している。


 ここの学校の先生の特徴として、生徒が学校に来ないことや教室を出て行ってしまうことが、自分のせいだと思っていないことが挙げられる。

 責任感のある人や本当に人を育てる能力がある人なら、まず自分に責任があると感じ、改善できないかと行動するものだと思う。しかし、普通の会社員を経験していない人たちなので、理解がないのも仕方ないのかもしれない。

 先生側は、どうして生徒がこうなんだろうと思い、生徒側は、どうして先生はこんなことを言うんだろうと思う。先生と生徒の思いが行き違っている。相思相愛まではいかなくとも、分かり合えなければお互い成長はできないだろう。

 スキル以前に根本が欠如している。採用する人の見る目のなさたるやである。そちらのセンスを磨いていただきたい。

 おかげでたくさんの被害者が出た。にも関わらず、先生たちは罰せられないし注意もされない。親と一緒で厄介なものである。

 

 

 

 

 

 

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