二景

二景


公園

亜麻色の髪の乙女

河原カンナと山田悠がいる


悠 なによ。

カンナ それは私のセリフ。呼び出しておいてそれはないでしょう。

悠 あんたの顔を見ているとムカつくのよ。

カンナ 正直者だ。褒めてあげるよ。アンタはとても可愛い顔してる。でも性根が悪いのか美しくは見えないよ。かわいそうに。

悠 アンタは顔もブサイクだし性根も悪いしかわいそう。

カンナ どういたしまして。私はこれで生活しておりますんで全くもって問題なし。

悠 私は根性なしだ。根性なしでよかった。根性あったらぶち殺しているところだった。

カンナ 時間は有限だよ。本題は何?

悠 なんでもいいでしょ。

カンナ はぁ? ただ戯言を語る為の時間? 洒落になんないわ。あんた、ロクな人生送らないよ。

悠 くだらない人間にそう言われても私何も思わないわ。

カンナ なんとでも言いやがれ。

悠 嘘よ。冗談ね。あのね、河原さん。

カンナ はい。

悠 貴方は健介のこと、どう考えているんですか。

カンナ ただの幼なじみ。

悠 健介はそんなこと思ってませんよ。

カンナ あら。そう。

悠 かわいそうです。もっと白黒はっきりつけてあげて。

カンナ なぜ? 

悠 いや、何故とかではなく。

カンナ どうして?

悠 呆れます。

カンナ それは私のセリフよ。貴方が何を思っているのか、ちんぷんかんぷん。

悠 健介のことを考えてあげて。

カンナ 興味ない人間のことをわざわざ考えてあげる義理はないわ。

悠 私の話を聞いて。

カンナ 嫌だ。

悠 どうして。

カンナ 貴方のことも興味ないから。

悠 そんなんじゃ人生やっていけないよ。

カンナ 構わないわ。地獄を生きられないなら、私多分天使じゃん。いえい。

悠 なんで、アンタはいつもそんなのよ。

カンナ しるかしるか。ただ生きているだけよ。

悠 私は悲しいよ。とても。

カンナ 悲しむのはよくないよ。人生楽しまなくちゃ。

悠 どうして健介はあんたのことを。

カンナ そんなん知るか。勝手にしやがれ。

悠 許せない。

カンナ どうして?

悠 なんでも、いいでしょ。

カンナ あんた、健介のこと好きなのか。

悠 好きでなにか悪い。

カンナ 悪くないよ。ま、頑張って。

悠 応援するな。

カンナ 人生楽ありゃ苦もあるよ。いつか報われるよ。がんばれ。

悠 ほんとほんと許せない。


健介、やってくる

亜麻色の髪、fo


健介 お二人さん。こんにちは。

カンナ ちは。


悠、顔を見せずもじもじする。


健介 どしたん。悠。

悠 どうもクソもない。

カンナ 健介、私のこと好きなのか。

健介 は。なにそれ。

カンナ じゃ、嫌いか。

健介 極端だな。

カンナ 白黒はっきりつけない男はモテないぞ。

健介 なんなんだ。いきなり。

カンナ 人生短い。楽しまなくちゃ。

健介 よくわかんない。

カンナ 此処が正念場。さあ。さぁ。

悠 ちょっと河原さん。そういうのよくないよ。

カンナ アンタも素直になりな。

悠 私は私を大事にしてる。

カンナ 大事にしすぎて、枯れてから出荷されても手遅れやで。

健介 君らは何話してるの?

カンナ 百年戦争かな。

健介 戦争? なに? うん。

悠 健介くんは人の話に首を突っ込まないで。

健介 あっ。はい。

悠 あぁ。もう。なんなの。なんなの。

カンナ わっはっはっ。

健介 カオスだ。

カンナ なぁ。

悠 なによ。

カンナ 三人で釣りでもいかねぇ。

健介 それはいい。

悠 よくないよ!

カンナ 楽しいよ。釣り。

健介 いいなぁ。釣り。

カンナ じゃあ。いこっか。

悠 まって。

カンナ なんだ。

悠 私もいく。

カンナ いこー。

健介 おー。

カンナ 勝鬨あげろー。

健介 うおー。

悠 なによなによなによ。


三人退場


暗転

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