第2話 【過去の仕事.1】
途中で休みつつ、歩きに歩いてようやくシャッダとホーンの境界線辺りまで辿り着いた。
ホーンはシャッダとハムザに挟まれるような中心部の土地である為に両側の土地から荒くれ者や成れ果てが集まってしまう。人を襲って金品や作物を奪っていくし人を殺してしまう。若い女がいれば陵辱されてしまう事もある。
そんな中で生き残るために荒くれ者を対象に身を売って生計を立てる娼婦も勿論この街に限らず存在する。
何処の土地でもいい。ちょっとした薄暗い路地裏なんか覗けば艶かしい喘ぎ声と肉がぶつかり合うようなリズミカルな音が聞こえるもんさ。
ついでに金が無くて女を買えずにコソコソ隠れてモノを握りしめて必死にシゴいてるおっさんも見ることになるがな。
そんな場所を【肉欲のスポット】と呼ばれてて大体いつも独特なニオイが漂っている。
男と女が肉体を交えた時に出る欲の溜まったあの粘ついた液のソレだ。それに此処に限られた話ではないがジャンクシティと呼ばれるこの付近の土地は基本的に治安は悪い。だから問題事は各自で対処せざるを得ない。
例えば物資を奪われたり暴力を振るわれたく無い、つまり安全の確保が目的なら用心棒を雇えばいい。 犯されたくないなら若い女は1人で街を出歩かない、夜や例の欲のスポットなんかは論外だ。
まぁそうやって対策しても運が悪ければ奪われ、殺されもするし連れ去られて服を破られて欲にたぎったソレを股に突き入れられ、股から白く濁る液体を垂れ流しながら虚ろな目で倒れてる少女や女性も少なくない。
勿論、俺も「この稼業」でそんなのはよく見かける光景だ。
以前依頼された「連れ去られた自分の娘を助けてほしい」という仕事はなかなか酷い物だった。 あれは確か────
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オレが情報屋や身売り宿から得た情報からそいつらのアジトを突き止めた
その小屋の隙間から見えたのは酒をかっこみながら少女を跨らせて「奉仕」させている最中のそれだった。
咽び泣く声の中、3人の男に嬲られ、顔や身体に精を浴びせられて何度も男共は少女の体内で果てていた。
────小屋の外で隠れて様子を伺っているとやがて2人の男が外に出てきた──
小便でもしにきたのだろう。オレはナイフの柄から細い銀色の筒を取り出して砂の残量を確認して再び戻した。
男がモゾモゾしだした辺りで背後に回り込み【闇のエニグマ】を発動して男の声を飲み込ませる。 その無音の間に【光のエニグマ】を発動して高速移動で素早く男の首スジにナイフを突き刺し抉る。 小便中だったソレをつまんでザクリと切り取り、2本のブツを耐水袋へ仕舞って雑嚢に放り込む
「さぁ、あと1人で依頼完了だ。」
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