第0.5話 [当時の雑記の切り抜きより]
──グラウンドゼロ事件から45年後の世界。生き延びた人々が本来の生活を取り戻す為、それぞれの場所の再興を続けやがて大小の差があれど9つの区切りを経て街ができる。それぞれの場所で指導者として活動した代表者の名前を取って
シャッダ、ホーン、ハムザ、ニクダー、ティトロ、マクロン、ヴァーラ、ウムラウト、ヴィラーマと呼ばれた。そしてグラウンドゼロ事件の影響により理性を失い、キューブを求めて人を襲う成れ果てとなった元バースとソイルの住民、そして物資など略奪行為を行う荒くれ者らを統一した呼び名として【ゼロ】(人成らざるもの、廃人)と呼び、やがてそれらを排除し、その土地の自治、安全と物資の確保、そしてそれらを稼業として依頼主からの報酬で生活することで生計を立てている者が各地で増えていく。
さらに60年後の世界。グラウンドゼロ事件から105年が経過した現在では各場所の上空に点々と黒雲が目撃され、その特性からカオスホールと呼ばれるようになる。その黒雲が現れると【事件前の物体が不規則に】それぞれの街へ事件前の既製品、廃材が降る謎の自然現象が起きる。当然落下物による死亡事故も多々あった。 毎年各所で降り続けているが整備されて最も復興が進み、都市と化した土地以外では廃材等の処理技術がない土地はもはや掃き溜めにしか見えないくらい廃材、既製品で積もった場所もある。そういった場所はジャンクシティと呼ばれていた。該当する土地はシャッダ、ホーン、ハムザが挙げられる
そんな中、落下物の中でも極めて重要とされる資源が存在した。薄黄色から濃い緑をした立方体状の結晶に見える未知の物質「キューブ」だ。
キューブはカオスホール付近でよく発見され、大きさは小指の爪程の小さなものから大岩ほどのものまで様々である。
これらはエネルギーの触媒となり、生活用品の他に後述するキューブウェポンやエニグマにも使用される
これらは既製品や整備品に付属されている金属製の筒型カートリッジにキューブを砕いたカケラや、擦り潰した粉末を入れてから本体にセットして使う。
大抵は火を起こす装置、泥水のような飲用に適さない水を浄化する装置等に使われる 落下してきた既製品を過去物資、復興後に作られた製品や、カオスホール付近で、発見されるキューブを未来物資と呼んだ。
──本来、この世界であるバースが荒廃した世界になる前に作成され、活用されてきた物質なのだが、そのことを知る者は105年経った現在、当時の人々らは亡くなっていてその事実を伝えるものが居なくなってしまった。 その結果、この世界で作られた至高の技術の結晶は黒雲より落下する未知の物質と解釈されてしまっている。
やがて生産技術が上がると武器に対してもキューブが使われるようになる。 銃、ナイフ等種類はピンキリだがやはり前述の銃やナイフが最も出回っているにしてもキューブがなければ刃として機能しない、銃に至っては発射すら出来ないデメリットがある為、過去物資を元に作成された銃やナイフを自作してキューブを必要としない武器を販売している業者もいる。
そして最後に「エニグマ」である。
バースに存在する9種類の属性根源を力とし生活の一部として欠かせないキューブの力を引き出し、より攻撃的な物へ変化させる技術……複雑な説明をすると長くなるがつまるところ「魔法」である。 ただしエニグマは素質がある者でなければ使えず、さらに現在ではエニグマ使いから伝授する以外方法が無く、独学で使用できたものはいない。 エニグマが使用できるのはかつてバースに来訪した異星人「ソイル」の血を引いてなければいけないのだ。 メリットとしては微小のキューブを消費するだけで既製品にはない、より強力な力を使用できる事。 デメリットは異世界人の血を引いてなければ使用出来ない事。自身の限界を超える力を頻繁に使えば【身体に何らかの異常が現れる事】が挙げられる。範囲は個人差あれど自身の能力以上の力を使わなければ身体に影響は出ない
───そしてグラウンドゼロ事件より105年後の現在。酒場で居候しながらゼロの排除を稼業とする少年、ジャックがこの荒廃した世界で様々な出来事に巻き込まれる物語が幕を開ける───
「これは大規模な破壊から大規模な再生へ繋げる物語」
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