その3 俺が勇者で転生者①

その3


「くそっ、何で…」


俺は柊 当麻。


俺には大切な幼馴染が居た。


結婚したい位に大好きで、もう二度と離れたくない位に思っていた。


だが、それは見事に砕けちった。


「高橋 刃ァ…」


この男が現れた!


俺の隣から遥を奪い、汚していった!


本来なら俺と結ばれる筈だったのに、アイツは俺から寝取っていきやがった!


どんな手を使ったのかは知らない。


だが、確実に卑怯な手を使ったのだろう…


「許さない、絶対に許さない…」


だが、ダメだった…


俺は奴を殺そうとした。


だが、殺せなかった…


…逆に返り討ちに合った。


ちくしょう、ちくしょう…


悔しい…悔しい……悔しい………


俺は大切な人さえも守れないのか…


「今度こそ、絶対に殺してやる!」


だが、その機会さえ俺は与えられなかった。


「あっ…」


俺は轢かれた。


即死だった。


直ぐに目の前が真っ暗になり、意識は深く沈んでいった。


…ああ、酷い悪夢だ。


やり直せるのなら、もう一度…


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「はぁはぁ、またあの夢だ…」


最近、こんな夢ばかり見る。


遥という女の子は誰なのだろうか?


何となく王女様に似てる気がする…


「勇者様、起きる時間ですよ!」

「あっ、ごめん!今、起きるね!」


俺の名は、トウマ•ディスベルク。この国に勇者として認定された元平民だ。


まぁ、勇者と認定されてからは色々とあった…


元平民だから、ロクに戦えないのだ。


だから、滅茶苦茶しごかれました。


現在進行系で…


「はぁ、今日もまた訓練かぁ…」


強くなってる実感はあるんだけどね…


滅茶苦茶疲れるのがなぁ…


魔王を倒すのには必要な事なんだけど…


「おや、トウマ。今日もちゃんと訓練を続けてらっしゃるのね。」

「勿論ですよ、王女様。俺は勇者ですから…」


訓練場に向かう中、王女様に出会う。


相変わらず、お美しい方だ。


そして、何より…


この方が俺の婚約者という事実が忘れられない。


はぁ、早く魔王を倒して結婚したいなぁ…


続く

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