第48話 母さん達の過去①

第48話


数分間二人に抱きつかれて、撫でられて、滅茶苦茶にされた後、やっと解放された。


「アンタ、大丈夫か?」

「ありがとう、義弟くん。今回の件で俺の味方は君だけだよ…」

「だから、義弟扱いすんな!」

「ツンデレさんめ、まだ素直にならないとは…」

「今、お前を心配した事を絶賛後悔中だよ、ちくしょうめ!」


ふぅ、義弟くんをからかうのは楽しいなぁ。


これだけで気力も回復するし、ご飯三杯くらいは行けるぜ…


…ふぅ、ふざけるの此処までだ。


「すみません、今日は帰ります。」

「あら、そうなの?ごめんなさいね、家のお父さんが…」

「いえ、気にしてません。」


まぁ、俺の母さんに聞かなければいけない事が増えたのは確かだ。


さて、どう聞くか…


「刃…」

「そんな顔するな。絶対に認めさせて貰うから。」

「…うん♪」

「ああ、やっぱり遥は笑顔の方が良い…」

「う、うん…」


たまには俺が攻めても良いだろ、遥?


「親と弟の前なのに、ナチュラルにイチャついてやがる…」

「あらあら、これは後で燃え上がるパターンね。」

「聞こえてますよ、お義母さん達!」

「そうよ!後、未来予知しないで!やる前に萎えちゃうから!」


後ろでコソコソ話す義弟くんとお義母さん達。


ていうか、遥さん…


それって、また俺が絞られるパターンですかね?


うーん、やっぱり俺に攻めは無理な様だ。


「ま、まぁ、今日は帰ります。ありがとうございました!」


と、恥ずかしさを誤魔化しながら、南原家を出る。


さて、まずは…


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「澪さん、母さん達の事を教えてくれる?」

「いきなり難題をぶっこむね、刃くん…」


俺は澪さんの家に来ていた。


本当は母さんに聞くのが手っ取り早いのだが、今日は休日出勤。


社畜な母さんと話が出来るのは早くて夜になるだろうし、疲れている母さんに頼むのは中々に忍びない。


「で、話してくれるんですか?」

「まぁ、話せなくはない。でも、私が知っているのは一部だよ。それでも良いの?」


それで充分。


少しでも謎が晴れるのなら、結構だ。


「成程、良いみたいね。」


少し考える様な素振りを見せ、少しずつ澪さんは話始めた。


「貴方のお母さんと私のクソ兄貴、遥ちゃんのお母さん、そしてもう一人を加えてあの人達は幼馴染だったの。」


そうだったのか…


だから、あんなにも澪さんとお義母さんは、俺の母さんと仲が良さそうなのか…


なら、お義父さんは…


「まぁ、簡単に言うとね。」

「簡単に言うと?」

「今でもクソアニキは引きずってるのよ。初恋+BSSな自分をね…」


「結婚もしてるのに情けない…」と、澪さんはそう吐き捨てた。


続く

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