第47話 変な父親と変な母親

第47話


日曜日、遂にこの日が来た。


やっと、相対する事が出来た。


だが、俺を一見した瞬間…


「お前、まさか…」


プルプルと震え始める。


まるで、激しい怒りを抑えるかの様に…


そして…


「お前の母親は…」

「はい?」

「…高橋 鞘か?」

「そうか…そうか!」

「がっ!?」

「お父さん!?」


突然、俺はお義父さんに襟首を掴まれる。


いきなり、何だよ…


俺の母さんが一体…


「道理で似ている訳だ!道理でムカつく顔をしている訳だ!道理で存在だけで俺を侮辱している様に感じる訳だ!」

「それはどういう…」

「ふざけるなよ、どうしてお前が俺の前に現れる!どうして、俺の娘の彼氏がよりにもよってお前なんだ!」


く、苦しい…


というか、この人は何を言っているんだ…


「ちょっと、お父さん!いい加減、放しなさい!」

「くっ、結…」

「はぁはぁ、助かりました。ありがとうございます、お義母さん…」


お義母さんがお義父さんを引き剥がす事で、何とか離れる事が出来る…


てか、何でここまでキレてるんだよ、この人…


一体、母さんは何をしたんだ?


「アナタ、一旦落ち着きなさい。ほら、部屋で頭を冷やしてきて…」

「ああ…」


と言われ、お義父さんは上へと上がっていく。


はぁ、疲れた…


「大丈夫、刃!」

「ごめんなさいね、刃くん。お父さんが何故か解らないけど、怒っちゃたみたいで…」

「父さんが彼処まで怒るなんて、何をしたんだ?」

「何もしてないんだけどなぁ…」


疑問が尽きないのは此方の方だ。


…少し、聞いてみるか。


「あの…お義母さん。」

「あら、何かしら?」

「高橋 鞘って知ってます?」


その言葉を聞いた瞬間、お義母さんは固まってしまう。


そして…


「もしかして、もしかしてなんだけど…」

「はい?」

「もしかして、刃くんって鞘ちゃんの子供?」

「やっぱり、俺の母さんを知ってるんですか?」


そう答えると、お義母さんは手をワキワキとし始め…


「キャァー、鞘ちゃんの子供なのね!よくみたら鞘ちゃんと雄介ゆうすけくんそっくりじゃない!」

「むぐっ!?」

「お、お母さん!?」

「ちょ、何やってんの!?」


いきなり、お義母さんに抱き付かれた。


しかも、俺の知り合い全員よりも大きな胸に包まれて、い、息が…


後、恥ずかしいので、頭を撫でないで!


「お、お母さん!」

「あら、何かしら?」


そうだ、助けてくれ遥…


「ズルい!私も抱き締めたいよ、お母さん!」


ブルータス、お前もか!


続く

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