脈無しだと思ってた幼馴染と､俺の彼女がヤンデレで修羅場ってる件

第31話 刃からの宣戦布告

第31話

俺が説明をしている間に、不毛な争いを続ける二人。

というか、俺をひっぱるのは止めてくれ。

さっきから変な音が聞こえる気がするし、痛いんだが…

「ねぇ、遥ちゃん。寝取らせやってみない？良い刺激を得られるかもよ？」

「やらないわよ、そんなの！脳が破壊されるのは負け犬幼馴染達だけで充分よ！」

「じゃあ、私が刃君を逆ＮＴＲを…」

「駄目に決まってるでしょ！」

聞くに耐えない…

何で俺は幼馴染と彼女のこんな生々しい会話を聞かなければならないのだろうか？

自業自得？そうだね…

というか、ここ教室なの解ってるのかな、この二人…

そう思っていると…

「は、遥！」

何でこのタイミングで来るんだ、コイツ…

嫌がらせ？嫌がらせなのか？

いや、存在自体が遥への嫌がらせみたいな奴だったな、コイツ…

「何で、そんな奴に抱きついているんだ！離れろ！」

「はぁ？何で？」

「何でって、俺とお前は！」

「唯の幼馴染でしょ？それに彼氏である刃に抱きついて何が悪いの？」

そう冷たく、言い返す。

この言い方なら、奴の心にも響いて大ダメージだろう。

「なら、私も仲の良い幼馴染だから抱きつくね♪」

「話聞いてた？」

「半分は。将来は夫婦になるんだから、別に良いでしょ？」

「勝手に言ってろ、妄想女！」

と、固まって動けない柊を放置して喧嘩を再び始める二人。

もういい加減にしてくれよ…

心労が溜まって、胃が痛い…

「ふ、ふざけるなよ、高橋！」

「お前一体、遥に何を!?」

いきなり、すごい剣幕で掴みかかってくる柊。

だが、俺はそれを止め…

「何も…」

「何だと！」

「少なくとも、俺は何もしてないよ。普通に好き合ってるから、俺達は付き合ってるんだ。将来、ちゃんと結婚もするつもりだ。」

少し重いかもしれないが、俺は本音をぶちまける。

コイツには直球の方が良さそうだからな…

「お前が遥を好きなのは見れば解るよ…」

「ああ、そうさ！それに、遥がお前なんかと付き合う訳がないだろうが！」

「ちょっ、いい加減に「遥、そこから先は俺が言う。」刃…うん、解った。」

そこから先は、彼氏である俺の役目だ。

「お前、ちゃんと遥を見てるのか？」

「ああ？」

「知ってるか、柊？遥はな、お前の事が大嫌いなんだとよ。」

「嘘だ！そんな訳がない！適当な事を言ってると、ブッ飛ばすぞ！」

はぁ、此処まで行くと重症だな…

「まぁ、そこら辺はどう考えようが別に良い。だがな、遥と付き合えてないのが今のお前で、遥と付き合ってるのが今の状況なのを自覚しろよ、柊。」

「そ、それは…」

「…最後に一つだけ言うぞ。」

俺は真っ直ぐに柊を見据え、こう告げる。

「俺の彼女に手を出すな！」

続く