幕間4
その9 それぞれの気持ち
その9
鉋side
はぁ、完敗だなぁ…
私が知らない内に、あんな事になってたなんて…
「脳が破壊されるってこんな感じなのかな?」
出来れば味わいたくなかった。
というか、味わうとは思っていなかった。
「はぁ、負けちゃったなぁ。でも…」
私は諦めない。
最後の最後まで…
一度約束をしたのだ。
私が死ぬまで…いや、死んだら来世でも…
「ちゃんと果たして貰うからね、刃君♪」
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莉奈&瑠璃side
『はは、どうやら瑠璃も覚悟を決めたみたいだね、嬉しいよ。』
「うん!忌々しいけど、あの性悪女にだって出来た事だしね!」
『それはそうだね、あの性格ブス女に出来た事だもの、私達に出来ない筈がないさ。』
私はお兄ちゃんが遥さんに連れて行かれた後、直ぐに莉奈ちゃんへと電話を掛けた。
宣戦布告通り、動き出す為である。
『でも、現実は非常だ。このままじゃ、瑠璃は義妹として可愛がられ、私は結婚式のスピーチ役として呼ばれるだろうね。』
「嫌だ、絶対に嫌だ!あの性悪女よりはマシだけど!」
『同感だね。マシなだけだけど…』
あの幼馴染の害獣よりはマシだ。
人間的にも、同じ女としても…
『さて、じゃあ始めようか。作戦会議をね…』
「うん、頑張ろうね莉奈ちゃん!」
『勿論だとも、我が親友!』
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遥side
今日のお仕置きとして、色々な所に噛み付いてマーキングしておいた。
ついでに、絞れるだけ絞り取っておいた。
精魂枯れ果てたのか、落ちる様に彼は眠っている…
「はぁ、ムカつく…」
何で私の彼氏はモテモテなのでしょうか?
しかも、全員が見せつけてやったのにも関わらず、フラレた上でも諦めないなんて…
「ちくしょう、この女たらしめ!」
ムカついたので、鼻を摘んで少しだけ息を出来ない様にしてやる。
すると、少しずつ苦しそうな顔を見せ…
「ぶはっ!」
「何これ、案外楽しい…」
Sへの扉が開きかけた瞬間だった。
私は刃の腕を枕にして寝転ぶ。
そして、宙に向かってこう宣言する。
「私だって負けない。いや、勝ち続ける。絶対に刃は渡さない。」
それに…
「私も覚悟を決めなきゃなね。もう、逃げない…」
とある覚悟を決め、刃と共に眠りに着くのであった。
終わり
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