脈無しだと思ってた幼馴染と､俺の彼女がヤンデレで修羅場ってる件

第26話 決意と約束

第26話

マジかぁ…

驚きの連続で頭がパンクしそうだ…

でも…

「ねぇ、刃。もしかして…」

「…大丈夫だよ、遥。」

不安そうな顔を見せる遥を、俺は抱き寄せる。

そして、頭を撫でながらゆっくりと語りかける。

「確かに俺は鉋の事が好きだった。」

「刃…」

「でも、それは過去の話だ。今の俺は遥…お前の事が大好きだ！」

「…刃！」

遥が嬉しそうな顔で俺を見てくる。

少しずつ、少しずつ俺達の顔は近付いていき…

「こら！はなれろ！やいばくんはわたしのおむこさんなの！とっちゃいや！やいばくんもうわきしちゃいや！」

「お兄ちゃんが、お兄ちゃんが誰とも知らない馬の骨とき、接吻を…」

「はいはい、見ちゃダメだよ瑠璃。これ以上直視すると、脳が完全に破壊されるからね。まぁ、私にとっては心地よい痛みだけど、瑠璃達はまだその境地に達せてないからね。」

ヤバい、うっかりコイツ等が居るのを忘れてた。

恥ずかしい…

というか、その見た目と年で幼児退行されたらいけない事をしてるみたいだから、止めてくれるか鉋。

後、瑠璃に変な事を吹き込むなよ莉奈。

それは開かなくても良い扉だ。

女装と男装プレイみたいな奴とかもな…

「こら！やいばくん、むししちゃいや！こっちむいて！」

「ああ、ごめん。」

「うん！うわきはだめだよ！」

いや、浮気って…

こうなる前も不倫とか言ってたし…

何を考えてるんだ、コイツ…

「だって、やくそくしたもんね♪わたしとやいばくんは、けっこんするって♪おさななじみでかぞくだよ♪」

「えっ…」

「そんな約束してたの？」

「…ああ。と言っても、かなり昔の話だ。俺達がまだ幼稚園位の時のな。」

鉋…ずっと覚えてたのか……

俺も忘れていなかった。

ずっと、守ろうとしていた。

だから、あの言葉を聞いた時…

…本当に絶望したんだ。

「…仕方がない。おい、鉋！」

「やいばくん、なぁに？」

くそっ、見ていられない。

そんな姿は、お前らしくないだろ…

もっと、しっかりしてくれよ神崎　鉋！

「よく聞いてくれ、鉋！」

「えっ、なぁに？もしかして、きす？」

肩をがちっと掴んだせいで、鉋は変な誤解してしまう。

違う、そんな事をするつもりは全く無い。

「しっかりしてくれ、鉋！現実を見ろ！俺と遥は付き合っている！お前とは付き合っていないし、結婚もしていない！」

「…うそ！うそつき！そんなこと、やいばくんはぜったいにいわない！やいばくんはやくそくをまもるもん！」

ぐっ、胸が痛い。

だが、此処で引く訳にはいかない。

「ちゃんと俺を…俺達をみろ、神崎　鉋！」

続く