第25話 まずは現状確認

第25話


「あっ、お久しぶりですね、遥さん…」

「謎女…」

「えっ、二人は知り合いなのか?」


知らなかった、いつの間に会ってたんだろう?


「ちょっと前に少し…」

「仲良くお話させて貰ったんですよ、先輩の彼女さんですから。」


そうだったのか…


しかし、そうだったら遥は嫌そうな顔をしないと思うのだが…


…あまり、気にしない様にしよう。


藪をわざわざ突つかなければ、蛇は出てこないのだから。


「さて、役者は揃いましたね。では、僭越ながら、私が状況を説明させて貰いましょう。」

「ああ、頼む。当事者の俺ですら何が何だかよく解らん…」

「…はぁ、私もよく解らないから聞いてあげるわよ、謎女。」


多分、コイツの事だ。


俺達に解りやすく解説してくれるだろう。


「えっと、事態は非常に複雑です。」

「それは見れば解るよ。」

「うんうん…」

「はは、そうでしょうね。まぁ、問題の原因自体はハッキリしてるんですけどね。」


そうなのか!?


一体、それは…


「ズバリ、先輩と遥さんが男女交際してる事が問題ですね。」

「「…………………………………………はぁ?」」


えっ、どういう事?


いや、マジで本当にどういう事!?


「やっぱり、混乱してますね先輩。まぁ、遥さんの方は解ったみたいですけど。」

「えっ、マジか!?一体、どういう事なんだ!?」

「私も聞きたいわよ。確かに気が付かない私も悪いけど、聞いてた話と違い過ぎるじゃない…」


聞いてた話と違う?


それは一体…


「まぁ、簡単に言うとですね。」

「ああ、何だ?」

「そこの幼児退行した幼馴染女と瑠璃ちゃんは先輩にマジLOVE1000%って感じですね♪」

「やっぱり…」

「……………………………………………嘘だろ?」


えっ、ちょっと、止めてくれ。


急に言葉の洪水を流されると、思考が可笑しくなっちまう。


えっ、鉋と瑠璃が俺の事を好き?


そういう意味での好き!?


「因みに、私もですよ。先輩が18歳になっても彼女が居なかったら、逆レ…既成事実を作成して夫婦になる予定でした。」

「唯でさえ衝撃のカミングアウトなのに、余計な文を付け足してくるのは止めてくれない!?」

「うわぁ…」


えっ、ちょ、まっ、本当に何が何だか解らなくなってきた…


誰か助けてくれ…


「つ、つまり、今の状況は…」

「はい!先輩と遥さんにWSSされて、脳がぶっ壊れた状態ですね♪」

「成程、そういう事かぁ!……じゃねぇだろ!」


えっ、つまり、今の状況って…


「もしかして、俺が悪い?」

「見方を変えれば、そうとも言えますね♪」


嘘だろ…


マジで誰か助けてくれ…


続く

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