第16話 舞台裏で後輩は嘲笑う/妹も気付き出す

第16話


莉奈side


最近、面白い事が起きた。


どうやら、あの気持ち悪い鉋さんが先輩達が隠している秘密に勘付き始めた様だ。


今更気がついたんですか(笑)?


「いや、滑稽!実に滑稽!気が付いたら既に寝取られてるとか、滑稽にも程がある。」


いや、寝てないからWSSか?


これ以上は私も瑠璃も傷付くから止めておこう。


個人的にはその痛みも、先輩が与えてくれた物だから、最高に幸せだけど…


「しかし、盗撮写真を強請ってくるとは…」


アイツは私の事を何だと思っているのだろうか?


これでは、私が質の悪いストーカーみたいではないか。


流石は、先輩の性悪幼馴染と言った所だ。


風評被害にも程がある。


裁判に訴えても良い位だ。


「でも、状況は動き出した。これから、あの負け犬がどう舞台を荒らしてくれるかは楽しみだなぁ…」


現状は遥さん一強状態だ。


それをぶち壊せる手段が、あの性格ブス年増女にあるのだろうか?


多分、無いだろうなぁ…


幼馴染という立場に胡座をかいているから悪いのだ。


「個人的には、瑠璃にも頑張って欲しい所なんだけど…」


このままじゃ、あの敗北者女よりはマシだろうが、アチラ側に行くのは時間の問題だ。


早く行動しないと、傷痕すら残せない。


「私もそろそろ動く時かな?」


それまでは傍観者に徹しよう。


物語の結末は、まだ決まっていないのだから。


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瑠璃side


「可笑しい…」


少し、ホンの少しだけ変な臭いがお兄ちゃんに混じってる気がする。


後、土日に出かける事が多くなった。


もしかして、あの幼馴染だとほざく女と付き合い始めた!?


いや、それは無いか…


「あの女の価値観は少し歪だし、その可能性は皆無かな。」


なら、別の雌豚が近付いてる?


嫌だ、お兄ちゃんに近付いて良いのは、私と莉奈ちゃんだけだ。


絶対に他の女なんかには渡さない。


「使える物は全部使ってやる…」


私は家族だ。


誰よりも、どんな女よりもお兄ちゃんと近くに居れる存在だ。


それに…


「…私には莉奈ちゃんが居る。」


直接的な援助はしてくれないだろうが、間接的には助けてくれる筈だ。


例えば、盗撮写真とか。


はっきり言ってヤバいストーカーだが、あれでも私の親友なのだ。


時々見せて貰ってるしね…


「よし、お兄ちゃんに近づいてくる毒虫は私が殺虫するからね!」


こうして、物語は加速していく。


その先に何があるかは、まだ誰にも解らない。

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