三章 幼馴染のターン

第15話 疑問

第15話


鉋side


「うーん、何か可笑しい気がする。」


最近、嫌な予感がする。


土日は基本的には家に籠もりがちな刃君が、最近はよく出かけているのだ。


「しかも、刃君の臭いに別の不快な臭いが混じってる気がする。」


気の所為だろうか?


ホンの少しだけ、雌豚の臭いを感じるのだ。


可愛い義妹の瑠璃ちゃんだろうか?


それとも、負け犬に甘んじている莉奈ちゃんだろうか?


「まさか、他の雌が刃君に近づいてる!?」


不安が溢れ出すのを止められない。


嫌だ、絶対に嫌だ。


そんな事は許さない!


「もしかして、あの隣の…」


最近、刃君と仲良くやっている姿を見せているあの雌豚が怪しい気がする。


確か…南原 遥だっけ?


散々見せつけてやったのに、まだ懲りていない可能性もある。


ダメだ、疑い出したらキリがない…


「よし、決めた!」


私が頑張って、泥坊猫や雌豚達の魔の手から刃君を守ってあげなくちゃ!


そうと決まれば…


「えっと確か、此処に…」


GPS、よし!


盗聴器、よし!


盗撮用カメラは…別に良いか。


そういうのは瑠璃ちゃんに頼れば良いし…


「準備OK!待っててね、刃君!私が刃君を毒婦達から守ってみせるから!」


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刃side


最近、鉋の奴が可笑しい…


何が可笑しいかというと…


「いつも以上に歩きづらいんだけど…」

「嫌、マーキングしてるの!刃君は気にしなくても大丈夫だよ♪」

「気にするわ…」


いつも以上に抱きつく様になった。


しかも、擦り付ける様な感じでだ。


はっきり言って、色々とキツいし、猛毒過ぎる…


他にも…


「うーん…」

「えっと、何か用か?」

「ううん、見てただけ。

「そ、そうか…」


時々、物凄い視線を感じる。


それはそれでキツいのだが、それ以外にも滅茶苦茶近い距離で見てくる時もある。


ぶっちゃっけ、そのせいで隣の遥の視線も集中してくるので、生きた心地がしない。


後は…


「あっ、瑠璃ちゃん。久しぶり!」

「どうも…あっ、先輩!お久しぶりです!」


何故か、俺の高校の前に瑠璃が現れる事が多くなった。


二人のやり取りを見ると、相変わらず仲は悪いみたいだ。


まぁ、これは鉋が一方的に好いているだけである。


…これは関係無さそうだな。


「鉋、何かあったのか?」

「ううん、何も無いよ。心配してくれてありがとうね!」


絶対、嘘だ。


怪しい…


一体、コイツに何が…


続く

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