第12話 家庭の事情
第12話
「じゃあね、刃。」
「ああ、じゃあな遥。」
その後、色々と後片付けをした直ぐに澪さんが帰ってきたので、俺達の時間も終わりを告げた。
いつも澪さんが彼女の家に送ってくれるので、安心して彼女を任せて一人で帰る。
「はぁ、明日の学校が面倒だな…」
今日会った柊が何をしてくるか…
そう考えるだけで、頭が痛くなってくる。
「まぁ、その時も頑張って彼女を守るか…」
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遥side
「じゃあね、遥ちゃん。」
「うん!ありがとうね、澪お姉ちゃん!」
私は澪お姉ちゃんに家にへと送ってもらい、自宅へと辿り着く。
はぁ、帰ってきてしまった…
色々と面倒だし、直ぐに部屋へ篭もろう…
「…ただいま。」
「…おう、おかえり遥!」
「何でアンタが此処に……」
私が家に入ると、真っ先に
はぁ、何でこんな事に…
「あら、おかえり遥。今日は当麻君が晩ごはんを食べに来てるの。遥はどうする?」
「私はもう食べたから、別に良い。」
お母さんが晩ごはんを勧めてくるが、私はそれを断る。
はぁ、澪さんの家で刃の手作り料理を食べてて良かった。
「おい、待てよ。俺もお前の部屋に…」
「嫌、来ないで。入ったら、殺すから。」
そう言い切り、また何かを言われる前に部屋へと急ぐ。
そして、直ぐに鍵をかけ…
「はぁ、アイツが帰ってきてからこんな事ばっか…」
幼馴染だからか、我が物顔をして私の自宅をゴミが蹂躪していく。
それをお母さんも弟も、クソ親父も見てみぬ振りだ。
いや、お母さん天然だからそうは思っていないだろう。
問題なのは後の二人だ…
「アイツ等はあのゴミの何処が良いの?」
弟はアイツを兄と慕い、懐いている。
その為か、昔から変な気を使ってくっつけようとするのがウザかった。
クソ親父なんかもっと最悪だ。
あのゴミを気に入り、本当に結婚とかを検討してる始末だ。
「やっぱり、地獄だ…」
この家に私の居場所はない。
息が詰まり、窒息してしまいそうなこの家は私にとって地獄そのもの。
最近は、私が安心して素で過ごせるのは刃の前か、澪お姉ちゃんの家しかない。
「はぁ、何でこんな家に産まれたんだろう…」
私は、答えの出ない問を問いかけ続ける。
誰も答えを返してくれない事を自覚しながら…
続く
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