第11話 変わらないでね
第11話
「はぁ、もうこんな時間…」
「楽しい時間は過ぎるのが早いよな、本当…」
映画を見た後、ゲームセンターで色々な物で遊んだり、遥の買い物に付き合ってたりしていると、気が付いた時には良い時間になっていた。
「どうする?今日はこのまま帰るか?」
「えぇ、あの家に帰りたくないなぁ…」
そんなに嫌なのか、お前の家…
遥のお義父さんは一体、何をしたんだ?
「ねぇ、今日はヤる?」
「ナチュラルに聞いてこないでくださいます?一応、ここはまだ人前だぞ?」
ヤるとは勿論、その事。
俺も吝かではないが、場所が場所だしなぁ…
「もしかして、場所を気にしてる?」
「いや、何度もヤッておいて何だけど、慣れなくてな…」
「まぁ、澪お姉ちゃんの家でやってるもんね、私達…」
基本的にあの人は、夜まで自宅に帰ってこない。
そして、『その間は何をしても良いよ♪』と言われている。
なし崩し的にヤッてしまってから、俺達は時々その様に使う様になってしまった。
「はぁ、解った。後片付けはちゃんとやるぞ。」
「解ってるって。うん、帰ろ♪」
はぁ、絶対バレてるよなぁ…
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そして、いつも通り色々とヤッた後…
「…ふぅ、いっぱい出せたね。」
「そういうの耳元で囁くの止めてくれます?」
何かこう、ゾクゾクするから…
「そういうの初めての時から変わらないね。」
「当たり前だ。何回ヤッても慣れないよ。」
こんな感じでピロートークは続く。
だが…
「ねぇ、刃…」
ふと、遥が寂しそうな顔を見せ…
「変わらないでね。私を愛してくれる貴方のままで、変わらないでいてね。」
「…当たり前だ。死んでも変わってやる物か。」
おそらく、何か不安な事があるのだろう。
そして、いつか俺もそれと向き合わなければいけない時が来るのだろう。
それでも、俺は変わらない。
お前への愛を貫くと、お前に誓おう。
「ふふ、ありがとうね。」
「…当然の事を言ったまでだ。礼を言う必要はない。」
「それでもよ。」
最後に、キスをする。
舌を絡める様な深いキスではなく、そっと触れ合う様な軽いキス。
お互いの愛を確かめる様に、俺達は何度もそんなキスを行った。
「愛してるよ、刃♪」
「ああ、愛してるぜ、遥。」
そして、お互いに愛を囁き合った後…
もう一度キスをして、今夜の行為は終わりを告げたのだった。
続く
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