第10話 仕切り直しと映画館

第10話


柊の奴から離れた事を確認し、俺達は一息を付く。


「はぁ、しつこかったなアイツ…」

「全くよ!折角のデートが台無し!」


アイツのせいで今日のプランが総崩れだ。


今日は俺が見たい映画を見る予定だったのに…


「はぁ、仕方がない。入れ替えるか…」

「何を?」

「今度に見に行く予定だった奴を、今日見に行こうか。」

「えっ、良いの?」

「ああ。今から行けば、丁度良い時間だしな。」

「やったぁ♪」


そう言うと、彼女はかなり嬉しそうな笑顔を見せる。


それはそうだろう。


今から見に行く映画は、彼女が大好きなシリーズなのだから。


いや、それにしても可愛いな…


「ねぇねぇ、今回の奴はお医者さんがモチーフな奴なんだよ!この前、刃が見ていたエグ何とかみたいな感じでさ!」

「へぇ、そうなのか。俺は初代の二人でやってる奴しかしらないから、よく解らんな。いつの間に、そんなモチーフが豊かになったんだろうか?」


彼女が好きなシリーズは女児に人気なプリキ○アである。


彼女は恋愛物よりも此方の映画の方が好きらしい。


因みに俺は特撮。


基本的にMARVELとライダー、戦隊である。


時たま、一緒にホラーを見に行く事も有るが…


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「はぁ、楽しかった!」

「そりゃ良かった。」


やはり、一度見てみると案外面白い物だ。


最後ら辺なんか、遥と一緒に貰ったアイテムを振ってたし…


「今度は、刃のだね。」

「ああ、今回のはAIをテーマにした奴だからな。どんなストーリーを見せてくれるか楽しみだ。」


本編が色々あっただけに、神作になってくれる事を切に願っている。


まぁ、どんな映画でも楽しむ事は確かだろうが…


「予告も良かったよね。私、今度はあのホラーが見てみたい!」

「奇遇だな、俺もだ。」


話題が映画が始まる前にやる予告へと移る。


やけにホラーが多かったが、彼女は何が見たくなったのだろうか?


「エイ○アンVSブレ○ターVSダー○ライ!」

「貞○VS佳○子VS○鬼!」


ん?ちょっと、待て…


「何その『勝った方が我々の敵になるだけ』みたいなホラー?」

「いや、そっちのは最早ホラーですらないだろ。しかも、滅茶苦茶『勝手に戦え!』感が凄いし…」


因みに最近のキャッチコピーで『もう結果だけ教えろ!』と書かれた映画も在るらしい。


誰が考えるんだろうね、そんな映画…


「よし、じゃんけんて勝った方が先に見に行く事にしよう!」

「それ良いね!」

「「最初はグー!じゃんけんぽん!」」


果たして、その結果は…


続く

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