その3 俺の幼馴染/私の幼馴染
その3
???side
俺には大好きな幼馴染が居る。
ソイツの名前は、南原 遥。
親同士が幼馴染の親友であり、産まれた時期も殆ど一緒だった。
そう、本当に俺達は一緒だった。
「ねぇ、一緒に遊ぼう!」
色々な所に行った。
一緒に色んな遊びをした。
あの日々は楽しかった。
遥と過ごす日々は、俺の幸せだったのだ。
あの時までは…
「嫌だよ、引っ越しなんてしたくない!」
親の転勤のせいで、俺は小学校卒業と同時に、彼女と離れ離れになる事になった。
でも、神は俺を見放さなかった。
中学三年になった時、再び故郷へと帰れる事が解った。
「やった!また、遥と一緒に過ごせる!」
俺は舞いがった。
そして、遥の親から聞いた受験先の高校を選び、頑張った。
そして、奇跡は起こった。
「よし!一緒のクラスだ!」
残念ながら隣の席にはなれなかったが、彼女と同じクラスになれた。
彼女はより可愛くなり、ツンデレちゃんになっていた。
少々、隣の席の雑兵がウザいが、そんな事は些細な事だ。
「ああ、早く18歳にならないかなぁ…」
俺がその歳になれば、晴れて彼女と結婚できる。
彼女の親も祝福してくれるだろう。
ああ、本当に楽しみだ…
----------------------------------------------------------------
???side
私には大嫌いな幼馴染が居る。
あのゴミの名は、柊 当麻。
親同士が幼馴染の親友だったせいで、ほぼ一緒にさせられた。
「ねぇ、一緒に遊ぼう!」
「えっ、私はお家で遊びたい。」
そう答えてるのに、無理やり色々な所へ連れて行かれた。
やりたくもない色々な遊びをさせられた。
コイツとの日々は苦痛でしかなく、地獄の様だった。
でも、奇跡は起きた。
「やった!アイツが何処かへ行ってくれる!」
私は嬉しくて、つい泣いてしまった。
家族には変な誤解をされたが、幸いにもこれのお陰で見送りに行かなくても良くなった。
「はぁ、せいせいするわ。」
アイツのせいで、私とあのゴミが仲が良いなんて不快な勘違いが続く事もない。
でも、幸せは直ぐに崩れた…
…私は聞かされた。
「えっ、アイツが帰ってくるの?」
何で?何で何で?
どうして、あのゴミは私の幸せを壊すの?
邪魔をしてくるの?
…誰か助けて!
「「はぁ…」」
思わず逃げた先の公園で、誰かの溜息と重なった。
後にこの出会いが私を救ってくれる事を、その時の私は知らなかった。
神は私を見捨てなかったのだ。
「ありがとうね、刃。」
「ん?何だ、いきなり…」
「言いたくなっただけ、気にしないで♪」
「いや、気にするよ…」
今の私は、本当に幸せです。
終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます