その2 裏舞台の後輩
その2
とある暗い1室の中、莉奈はニヤニヤと笑顔を浮かべながらアルバムを見ていた。
「ああ、いつ見てもカッコいいな先輩は。」
そのアルバムには、びっしりと刃の写真で埋まっていた。
ちゃんと許可を得て撮った物もあるが、その殆どが盗撮した物である。
「ん?これは確か、瑠璃と一緒に取った奴か。」
彼女は私の親友だ。
かけがえのない友であり、同じ人を愛する同士でもある。
彼女は本当に優しい子だ。
「滅茶苦茶、嫉妬深い癖に私と先輩をシェアしようと考えてるなんてね。優し過ぎるにも程があるでしょ…」
でも、それは先輩が禁断の愛に手を染める事が前提の話だ。
我が親友はそこまで先輩を墜とせるだろうか?
本当に楽しみだ。
「これは鉋さんと一緒にプールに行った時の奴かな?」
彼女は一番策士でヤバい女だ。
幼馴染という圧倒的な
天然っぽく振る舞う事で、自然体で先輩とイチャついている様に見せたりして、煽ってくるのもいただけない。
まぁ、知らない間に掻っ攫われたのには嗤ったけどね。
ザマァみろ、私と親友の前で義姉ぶった行動をした天罰だ。
「これは先輩が遥さんと初めてヤッた後のお別れ時を撮った奴かな?」
彼女のダークホースっぷりは凄まじい。
これ程、興奮する写真を撮ったのは久しぶりだ。
昔、泊まらせて貰った時に撮った先輩の裸の写真と1、2を争うお宝だ。
「この謎の色気が私を惑わすんだよなぁ…」
私を狂わせた責任を取ってほしいよ、全く…
でも、まさか先輩が高校生になる直前に童貞を散らすとは。
遥さんが羨ましいなぁ…
私も貫いて欲しい…
今度会ったら、感想でも聞いてみよう。
「でも、胸が少しチクチクしたな…」
これが所謂NTRという奴か…
脳が破壊される刺激というのも、実に良い。
我が親友は兎も角として、あの気持ちの悪い幼馴染さんには是非、味わって欲しい物だ。
「さて、明日はどんな物を撮ろうかな?」
一通り鑑賞を終え、アルバムをしまう。
そして、私は明日の先輩を思い浮かべながら眠りに着いていく。
ああ、先輩…私だけの大好きな先輩……
「ああ、明日が楽しみだなぁ。」
では、おやすみなさい。
続く
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