第7話 裏での邂逅(莉奈side)

第7話


莉奈side


私は先輩と別れた後、真逆の方向へと進んでいく。


理由は唯一つ、である南原 遥に会う為だ。


「さて、どんな答えを聞かせてくれるのだろうか?」


今の所、先輩のお嫁さん候補は2人…いや、私を含めて3人だった。


そこにまさかのダークホースときた物だ。


興奮が抑えられない!


おっと、落ち着け。冷静になるのだ、私…


「ん?あれは…」


どうやら、ビンゴの様だ。


お目当ての少女が目の前を歩いている。


さてさて、君の答えを聞かせて貰おうか。


「いやぁ、真反対とはいえ遠いなぁ。」


と、わざと大きな一人言を漏らしてみる。


こうすれば、大概の人は…


むっ、反応が薄いな。


なら、もう一押し!


「まぁ、良いでしょう。目的は果たせました。」


よし!これなら…


…って、ええ!?


華麗にスルーしようとしているだと!?


私、一応恥ずかしかったのに、その仕打ちとは…


侮れないな、南原 遥…


仕方ない、此所は直球で…


「待ってください、である遥さん。」


おっ、やっとマトモな反応が返ってきた。


さぁ、楽しませてくださいね、遥さん?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


遥さんへの問の答えを聞いた後、私は一人で笑いながら帰路につく。


「あはは、面白かったなぁ。まだ、腹痛いや…」


まさか、あんな事を言うとは。


未来を断言せず、それでいてという強い意志。


他の人達なら、断言してただろうに…


「だからこそ、面白かったんですけどね。」


今までの人達とは違うタイプ。


根っこは一緒でも、見てる視点が違う。


「やっぱり、先輩は良いなぁ。こんなにも多様性の面白さを魅せてくれる!」


ああ、独占欲が湧いてくる。


それ以上に、先輩が誰かに汚されていると考えると興奮してしまう。


「はぁ、本当に最高♥」


外から眺めるのは、実に乙な楽しみだ。


定期的に面白い人が現れ、場をかき乱し、嫉妬と独占欲が入り混じる修羅場混沌が生まれる。


それを傍観者として眺めるのが、今の


今はそれをじっくり楽しむとしよう。


「せいぜい、頑張って下さいね♪」


もし、私が表舞台に上がる事があれば…


「早くお鉢が回って来ないかなぁ…」


誰であろうと容赦しないし…


…その時の私は負ける気がしないので。


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る