第3話普通の毎日
僕はその後学校に行った。
あれほどの恐怖は久しぶりに感じたが、行かないという選択肢もあったが、あのまま家にいたら一層気にしてしまいそうだったので行くことにした。
学校は普通で特に変化などはなく、いつもと変わらないくだらない日常が目の前に広がっていた。
学校中が騒がしくなる頃、僕は図書館に向かった。
僕の学校、御香宮学校は公立の中では格段に設備がよく、そして広い。
私立とほぼ設備が同じな為、準私立などと謳われている。
ここの全学年の生徒数は2000人程度と言った所だが、進学実績ははっきり言って悪い。
旧帝大はたったの1人、母数に対しての数が少ない。
準私立とはこう言う差のことも含めてなのだろう。
そして僕が向かっている図書館は特別棟の3階にある。
僕の学校は本館に特別棟そして体育館だ。
本館は4階建て特別棟は3階建てとなっている。
本館は一般教室があり、特別棟はその名の通り、特別教室がある場所だ。
別れているためとてもわかりやすい。
僕の居場所のひとつの図書館も同様に広いが、本の数は悪い意味で目立ってしまっている。
僕は着くなり、化学の本があるベースに向かう。
理由はひとつ、今日の手紙の件についてだ。
実はあの後、家中をくまなく探したのだ。
理由は金が取られていないか確かめるため。
犯人は窃盗犯ではないかと読んでの行動だったが、まあ結果は散々だった。
犯人の目星はついていないが、犯人は僕の家庭内の事情を知っていてあの手紙を置いたのだ。
僕以外の家族が居ないことを知っての行動。
一体なんの意味が。
その中でも1番の謎は、犯人の名前だ。
あの名前が本当なら、新しい家族が1人増えたことを意味する。
そんな事は有り得ない。
なら、1番有り得る理由は僕自信が書いていて、忘れているということ。
それぐらいしか考えられない。
深い人間関係を築かなかった僕には、それしかない。
だから、今調べているのだ。
もし、忘れているのなら脳の誤作動とかその辺のものだろう。
ひとつひとつ本の名前を見る。
違う、これも違うこれもか。
10分近く探したものの脳に関する本さえ無かった。
誰も脳なんかに興味が無いという事だろう。
だとすると残りはインターネットだが、正直自分が求める情報は得られないと思う。
自分が求める物は曖昧でかつ分かりにくい。
そんなものを調べても、検索履歴の多い情報しか出てこないだろうし。
帰ったら一様調べとこう。
帰宅後、調べたところ予想通りの結果となった。
結果分からないということしか分からなかった。
エジソンの言葉で似たような意味の名言があったが、結局それは答えが出たから意味があるのであり答えが出ないのなら、負け犬の遠吠えだ。
パソコンを下スクロールしながらちらりと時計を見る。
時計は12時を指していた。
もういい時間だ、寝よう。
僕はパソコンを閉じ、電気を消しベッドの中に入った。
一体誰が何のためにあんな手紙を出したのだろう。
怖い
知らない物は怖い、異常も怖い。
怖いものだらけだ。
もう寝よう、嫌な事は寝て忘れるのみだ。
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