第18話「結晶化魔法の正体」
「え?ドワーフの里でですか?」
三つ目の依頼をやる前に一度ギルドに寄った俺はドワーフの里での出来事をギルドに報告をしていた。
因みにその日は特別担当だったニャニャさんは休暇で休みであった為、彼女の同期であるアロアナさんに代わりに話していた。
「あぁ、妹弟子のノシルを雇う時に行ったんだけどその時の依頼でやってた【追想の樹木】を伐採してた時に見つけてさ」
「成程・・・確か大陸情勢関連では秘書長が詳しいですね・・・分かりました。話を通しておきます」
アロアナさんはそう言って秘書長の下へ行き、来るまでの間に待合の椅子に座る。
「さて、カリムさんが言ってた女悪魔は・・・焦りを見せていたらしい・・・何が目的でドワーフの里に来たんだ?」
ドワーフとの子作りが目的であれば嫌がらせするだけで敵視するはず。
だが彼女は焦っていたらしい。
となると・・・・
「お待たせいたしました、ノア様」
「ん、あぁどうも」
ギルドマスターであるアステリアさんが俺の所に来て
「準備が出来たのでお越しください」
「あぁ、分かった」
俺はドワーフの里で起きていた出来事と新たに迎い入れた仲間の父親の証言を合わせて伝えた。
「成程、もう一つの可能性として・・・」
「あぁ、事実魔族は敵対意識はしない。故に何かに焦っているとなると・・・」
その場に居た4人が同じ考えを巡る。
「魔族とは言え女性の魔族であればなおさらですからね、焦るのも無理はないかと」
「そうね」
アステリアさんと秘書長のアイリスさんの会話にその場に居るメンバーが察した。
「結晶化の件ですが・・・自慢をする為に披露するものの為の魔法とか・・・ですね」
結晶化魔法の正体が結構無害寄りの魔法だったことに少し驚く。
「あぁ、でも魔族は魔力が濃ゆい事で知られているのでそれが原因でドワーフの里では毎回魔物が出現するようになったのだと思われます」
「あぁ~だとすると相性が悪い感じだな」
そう言った魔法を取り除いて別の魔法を仕えれるような人が居れば魔族とのいざこざも解決できるかもしれない。
「ん~・・・とは言ってもなぁ~」
「今まで魔族は疎まれていましたからね。受け入れるまで相当苦労するかと」
俺は少し考えて
「よし、魔族が万が一来た場合は俺が交渉するよ」
「分かりました。念の為に護符をお渡ししますね」
彼女はそう言って俺に護符とやらを渡して来た。
「さてと、あと一つの依頼を明日一日で終わらせておくよ」
「お体に気を付けて下さい」
俺は頷き、そのまま家に帰る。
「さてと、次の依頼が・・・【月下草】。これは骨が折れるなぁ~」
俺はそう言って頭を掻く。
「どうかしました?」
「ん、あぁフィーか。実は――――」
俺は彼女に【月下草】の収集が難しい事を説明した。
「成程、でしたらお母様の知人に同行して貰うのはどうかしら?」
フィーの母親は幸いにも良き友人に支えられていたらしい。
元旦那のあの男の事を毎日婦人会で愚痴をこぼしていた事も婦人会経由で聞いたんだとか。
「ほう、それじゃあその御夫人の方々の中でそう言う詳しい血筋は居るのか?」
「えぇ、実際に私も同行した方なんですが・・・」
――――その御方は"薬草系"専門の調合師なんです。
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