第13話「幻の草花ととある貴族③」
「――――って事だから彼女達に色々と仕事を教えて欲しいんだ」
幻の草花が自生していた幻想の丘から連れ出した四人の美しい元石像のエルフ達を雇う為に四方八方に疾走した。
「成程、それなら商業ギルドには申請したので?」
「あぁ、4人分の身分証明を作成したよ。でもやはりあれだな――――エルフやドワーフなんかの人間以外の種族は種族特性を持っているから魔力検査だけで通ったし」
この国では魔力の持つ多数の人間以外の種族は身分証明になる物は所持していない。
だがしかし、魔力検査などで種族特性なるものがあれば初回はそのまま通って良いらしい。
但し身分証明が無ければ次回以降から硬貨を使って通行税を払わないと行けないのだ。
「ですねぇ~ドワーフは戦闘面では前衛の役割と仕事面では鍛冶役割があると言う風にエルフや獣人なども二つの役割を従事してますからね」
先に依頼を終えて戻って来たアスカさんがそう言って製造リストを作成していた。
「それで・・・彼女達に名前は」
「勿論」
俺がそう言うと、彼女達は順に挨拶をする。
ビアン
「ビアンと申します」
レビィ
「レビィと申します」
エルフのレビィ、ハイエルフのビアンが先に名乗る。
カリーナ
「ダークエルフのカリーナです」
スフィア
「
褐色のカリーナと小麦色のスフィアが最後に挨拶をする。
アスカさんが頷き
「宜しくお願いしますね」
他のメンバーも戻って来て俺がついでに紹介をする。
「なんか、思った以上に女性の人口が多い気が」
フィーさんはそう言い、シーさんがフィーさんに
「大丈夫よ、貴方にはまだチャンスがあるもの!」
「そ、そうよね!大丈夫・・・よね!お母様!」
俺は聞かなかった事にし、まだ依頼を遂行中だが会議を開いた。
「――――と言う事で暫くお店が続く間は今居る人数で午前と午後に別れるようにしたい。大体は午前中に手の空いているメンバーは素材集めと硬貨集めに集中して欲しい」
「あの・・・よろしいでしょうか?」
「大体は裏の庭でポーション用のを育てるんですか?」
「あぁ、ちゃんと効果のあるポーションを作りたいからね」
すると、ハイエルフのビアンが
「それなら植物を育てるのは私がしても?」
「おう、良いぞ。レビィと交代しながらで良いから育ててくれ」
そう言うと彼女は頷く。
「さて、それじゃあ早速仕事を始めようか」
一通りの仕事をやった俺は次の依頼を終らせるべく行動に移した。
「それじゃ、俺はまた依頼でまた離れるから後の事は宜しく頼む。わからない事があればアスカさんに聞いてくれ」
その場に居た女性陣は全員返事をし、俺は店を出る。
「さて、次の依頼は――――"追想の樹木"か」
依頼書を見る限りドワーフからの依頼だ。
「さてと・・・この依頼が出てるって事は――――あの人が出してくれたんだな」
そう考えた俺はさっさとドワーフの里に足を運ぶことにした。
因みに弟子だったシリンは上達も成長も早い為、弟子卒業となった。
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