第9話「ギルドとしての威厳」
「よっ、大丈夫?チリさん」
俺はそう言って地面に倒れている彼に手を差し伸べる。
「えぇ、全くアナタの作る武器はどれも想像以上に凄いです」
チリさんは一度、武器を俺に直して貰った事がある。
彼の使う武器は大柄な体型を基に大太刀を扱う。
刃が欠けていたので、そこを指摘し無償で直した事がある。
「そうだ、丁度良かった。メンバーも連れて俺の店に来なよ、新調も出来るよ」
「おぉ、個人店舗をお持ちに?それなら素材を集めてから一度訪問しに行きますね」
いいタイミングで顧客もGETした。
あっ、そうだ
「ブラックさん」
「あっ、はい」
ブラックさんはたしか・・・・
「知り合いに凄腕の行商人とか、居たりします?」
「あー、それでしたら・・・俺の母方の伯母がそうですね」
ブラックさんのご両親の内の母親は婚家である旦那さんの元に来た身である。
そしてブラックさんのご両親は結構なラブラブ夫婦らしい。
訪問先も確保した所で――――
「よしっ、それじゃあ依頼を終らせておくか」
「そうですね」
「私もお二人に近づけれるように頑張りますっ!」
んでもってギルドであまり俺や俺のメンバーに対して「手を出すなどの野蛮かつ危険行為を出さない様に」とギルドマスターであるアステリアさんが厳令を出した。
「―――と言う訳で、助かったよ。アステリアさん」
「いえ、ノア様の為とあらば」
取り敢えず俺に対して目の敵にしていたバジルと言われる彼は俺や受付嬢のニャニャさん、そしてギルドマスターのアステリアさんに謝罪してくれた。
まぁ、ほぼチリさんの圧らしいけど
「さて、依頼は・・・・いつものアレか!」
「え~っと・・・これでも受けますかね」
「草抜き楽しいな~♪」
別行動で今現在動く事になった。
まだ低ランク――――
因みに
【銅色➡銀色➡金色➡黒色➡深緑色➡白金色】
と言った順である。
銅色の依頼を50回➡銀色
銀色の依頼を150回➡金色
金色の依頼を299回+昇格試験一本のみ合格➡黒色
黒色の依頼を898回+昇格試験二本分のみの合格➡深緑色
深緑色の依頼を1895回+昇格試験五本をその日の一日のみの合格➡白金色
と言う流れだ。大体の人は黒色までしか目指さないが俺だけ深緑色の依頼を最速で熟し、さらには凶悪な魔物退治を三体と王族が関わる案件を二本をその日の内に終わらせて白金色の免許証へと昇格した。
「(まぁ、色々と大変だから他の人はあの免許証止まりだよなぁ・・・)」
俺はそう思いながら難易度の高い白金専用の依頼を幾つか見繕う。
「よし、行くか」
先ず俺が見繕った依頼の件数は3枚。
一つ目の依頼が幻の草花。
「確かこれは依頼主の奥さんが謎の病に侵されててどんな病でも治せる【幻の草花】の存在を知ったんだよな・・・」
その依頼主は上流貴族でしかもどんな貴族に対しても紳士的な対応をする事で有名らしい。
その人の奥さんもかなりの凄腕なのだとか。
「こりゃ~誰でも依頼を受けたくなるよな。有名な人であれば」
続いて二つ目の依頼。
二つ目の依頼が「夜に美しい輝きを放ち誰もが魅了してしまう」と噂がある【追想の樹木】の伐採だ。
「確か・・・依頼主は珍しいドワーフなんだよな」
内職に適している人間以外の多種族は戦闘以外で種族としての適性が戦闘職以外でも期待されている。
例えばドワーフ。
ドワーフはモノ作りが盛んとし、ドワーフを含む多種族が住む大国が存在する。
そこに行く行商人はドワーフとの商品交渉でお互いが納得する値段や装備品を受け渡す事があり、その分の金額をドワーフは行商人から受け取る事がある。
だがしかし、そんなドワーフでも厄介と思えるらしいモノがある。
それが――――
「夜のみ美しく輝く・・・・なる程、だからか」
そのキャッチフレーズとされている通り、幻惑などに罹る特殊な状態異常を引き起こす事から人間以外の多種族は苦手としている。
「あと一枚は―――――こいつは別の日にやっても大丈夫そうだな。期限もそんなに短くないし」
俺はそう言ってそのまま必要なモノだけを腰に付けて最初の依頼へ向かう事にした。
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