第8話「決闘!VS銀色の冒険者」

「全く・・・何で絡んでくるのかしら・・・」


先程、俺の窓口担当となったニャニャと言う新人の獣人受付嬢がそう言って溜息を吐く。

どうやら問題児らしい


銀色の冒険者

「無視してんじゃねぇ!!!このクソガキィ~!!!」


ブラック=パルザン

「すいませーん!依頼を終えて来ました――っておまッ何やってんだ?!バジルッ!!!」

偶然にも襲ってきた男と同じパーティー?と思われる男が来た。


バジル

「ブラック!!放せッ!!!この――――」


ルークと呼ばれるその男が大声で


「バカ野郎!!お前が喧嘩売ってる人はこのギルドで唯一たった一人!!白金色の冒険者で【創造のノア】さんなんだぞ!!」


その男はそう言って暴れている男を止める。


暴れている男は銀色だが初耳なのかな?

男の方に向かって


「ど―言う事だよッ!」

「お前なぁ・・・【獣神の魂ライカンスロープハート】で散々何度も教わったろうが!」


ライカン・・・あぁ!


「すいません、もしかして――――チリさんとこの?」

「・・・!はいっそうです!クランリーダーのチリ=ペッカさんの方で活動しています!」


彼から聞いた話だと、ライカンスロープメンバーは今現在クランリーダー含む上位の金色の免許証を持っている冒険者が幹部をしていて俺に何度か助けられた事がある。


そのお陰か幸いして俺にあった時は挨拶をし、身だしなみも整えろとの事。


「元はワイルドな感じのがあって面白そうなクランだと思ったんだけど・・・心変わり凄いなぁ」

「クランリーダーの方が数十倍程の気色悪い感じにノアさんを信仰しているんですよねぇ」


彼はそう言いながら苦笑いする。


「チリさん宗教家の一派なのに俺を信仰して大丈夫なのか?」

「なんかすいません。ウチのクランが」


ブラックが申し訳ない表情でそう言ってバジルと言う男に向き直し


「全くお前は・・・きちんとライカンのルールを守れ!」

「チッ」


バジルと言われているその男は俺を睨みながら舌打ちをする。


「ほんっとうにすいません!アイツ、貴方を尊敬していた魔導師のホットさんの従弟なんです。俺に指導を任せて貰ったものの、言う事を聞かないタチでして」

「お・・・おう、ご苦労さん。チリさんにも「お疲れさん」って伝えておいてくれ」


チリさん達の苦労が目に浮かぶ。

ブラック=パルザンと言う男は中々肝が据わっている。

さて、彼が納得が出来る事を提示してみるか。


「あー、そうだ。久し振りにチリさんの腕試しをしたいんだが・・・良いかな?」

「はっ、それでしたら念話で伝えます!」


彼がそう言って少し腰を下ろし片手を片耳に当てて喋り始める。


「―――と、今すぐ来るそうです」


彼がそう言うと――――


チリ=ペッカ

「ノア殿ぉぉぉぉおおおおおおおおッ!誠に申し訳ありません!!!」

クランリーダーのチリさんがそう言って俺の目の前で土下座をする。

彼は銀色の免許証を持っているがライセンスなんかの制度より上の人や下の人と関係無く接する見た目より良い人だ。


「あぁ、大丈夫。それと今回なんだけど――――」

俺が言いかけると手でストップを掛けた。


「大体部下から念話で聞いています。・・・・バジル・・・この馬鹿もん!!!」

「ぐふぁッ!?」


チリさんは自分のメンバーにとことん厳しい。

だがその後はしっかりと褒めるのでメンバーからの好感度も爆上がりらしい。


「謝罪せんか!」

「・・・・」


まぁその男はプライドが高い。

チリさんがそろそろキレそうなタイミングで―――


「まぁまぁ、チリさん。今回の件に関してはギルマスの預かりにしておいてくれ。今はホラ」

「――――アッ・・・は、ハイッ!ノアさんがそうおっしゃるならッ!」


チリさんとの一本勝負をコロッセオで始めた。

勿論の事だが・・・彼のクランメンバー達も勢揃いだ。


「では・・・行きますッ!」

「おー、来い来い」


俺はそう言って懐から取り出した数十玉程の堅い素材で出来たものを取り出した。

チリさんはそれに気づき数歩下がる。


「ま、マジか」

「うっそだろぉ?!あれやんの?!」


観客席に居るバジルは知らない様子で


「おい、一体何が起きるんだよ?それに何なんだ?この騒ぎは」

「バジル、お前はよーく見とけ。あれが――――ノアさんの自己流の戦い方だ」


観客に観られながら俺は四方八方に魔力の込めた特製の鉄の玉を放つ。


「さぁ、コレの猛攻に耐えながら来い!」

「往きます!!うぉぉぉぉおおおッ!!!」


チリさんは勇敢に四方八方から跳ね返ってくる球からガードしながら果敢に立ち向かうが―――――勝敗は、俺の"勝ち"だ。

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