第6話「フィー=レイアとアスカ=クノイチ」

「うん・・・・うんうん。二人共似合うよ」


早速開店前にお店用にフィーさんとアスカさん用に接客服を作った。

二人のサイズは鑑定眼で見つつ調整したので問題無い。


「あとは・・・シーさんの服も後少しで作り終えるんで待っててくださいね」

「分かりました」


シーさんはそう言ってリビングの方にお茶を淹れに二階へ行った。

そしてアスカさんに連れて来られた領主と弟子のシリンが一階のエントランスに戻って来た。


「二階は生活スペースなんですね?師匠」

「うん。屋根裏部屋と三階は個人部屋にしてるんだ。必要な家具は作り終えたし」


俺はそう言ってシーさん用の接客服を作り終えた。


「ふむ、なかなか愛らしいデザインだな」

「でしょう?落ち着いた雰囲気に可愛いらしい要素を三人の服に取り入れたんですよ。それぞれ三人の服の色は宝石の色なので」


アスカさんはいつも暗めの忍び服しか持っていないとの事で明るめの黄色。

フィーさんは明るい性格を中和する為にピンク色。

シーさんは青色が好きらしいので少し明るめの青色を取り入れた。


「―――あぁ~後、裏手が作業場で専用の服を作ったんだ。耐火の突いているエプロンを着て作業してね」

「分かりました!」


今回は弟子であるシリンが制作ついでに接客や注文の対応、会計などをシーさんに教えて貰う事にした。

シリン以外の彼女達には―――


「シリンには宣伝して貰う予定だから後は貴族相手はアスカさんお願いして良いかな?」

「えぇ、構いません」

「OK。フィーさんは村の人達との交渉と不要物の受け取りをお願い」

「構いませんけど・・・村人たちへお返しする物とかはお決まりですの?」


フィーさんがそう聞く。

俺は頷き


「金銭を差し出すか代わりの物を差し出しておく。まぁ村の人の考え次第で対応お願い」

「分かりましたわ」


シーさんが二階から降りて来て


「お茶入れましたので皆さん上がって下さい」


みんな二階に上がり、用意してあった暖かい紅茶を席に座って飲む。


「――――で、シーさんは用事とかの要件がある時以外は会計任せて貰っても良いですか?」

「えぇ、構いません。お値段とかは決まっていますか?」


俺は頷く。


「布系や鉱石系、武器や防具などの様々な物はこの後、一階の裏手の物置部屋に行ってからどの様な値段にするかその場で決めます」

「それじゃあ今現在は決まってないんですね・・・分かりました」


領主が手を上げて


「大体は決まったとてお金の用意はどうするんだ?」

「あぁ、それに関してなんですが―――」


俺は懐から数枚の紙を取り出す。

お金に関してのサイクルだ。


「まず、アスカさんや俺は明日以降は冒険者としての稼業に戻ります。んでなんですが」


俺はギルドで得る仕組みの紙に変える。


「まず、商業ギルドに幾つか数点ほどのアイテムを卸しに行きます。武器や防具なども頼まれる事があると思うんで入念な準備を。んで、商業ギルドに卸した分はお金になって戻って来るんでそれが大体お店の資金になります。そして冒険者ギルドには以来の数々を俺とアスカさんでこなして稼いで来るんで日によっては多分給料が払える程に膨れ上がるかと」

「あ、あの~」


説明の途中でフィーさんが手を上げた。


「私も冒険者ギルドで登録しても?」

「良いですよ。多分フィーさんに関してはギルマスのお墨付きの認定になれば楽に仕事を貰えるので」


国王が騎士伝いに例の男――――フィーさんの元お父さんの件で対策が無ければ一生その噂でからかって来る人が居ないとは限らない。

そこ等辺は彼女も理解しているようで


「分かりました!交渉と実力は任せて下さい」


因みに彼女の母親であるシーさんは彼女が元は冒険者になりたいと言う夢を長年かなえたかったそうだ。


「さて、それじゃあ明日から行動しますか」

「師匠、風呂とかはどうすれば?」

「ん?あぁ、用意してあるから先に入って来な」


領主は仕事の関係で途中で抜けて屋敷に戻った。

さて、明日から本格的に動くぞ~!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る