これは!癖になる。重い、重い、重たい!そして心が乱れる。ぐちゃぐちゃになり、なんか泣きそうやし。何度も読んでは鬱鬱になりそんな読了感を楽しむ残酷さが癖になりーの。この小説に出会うのが遅すぎたと思います。一本通るテーマが煙草。そして第一章のラストの展開。うわあ。鬱。うわあ。最高。読む人を選びますが私には刺さった。忘れられない。作者さまどうか消さないで。
リアリティの高い人間模様が、煙草の煙と共に語られる物語でした。僕自身は煙草を吸いませんが、物語の小道具としての煙草には憧れがあって……この作品では、煙草が絶妙な小道具としてちりばめられていました。羨ましいです。 そして、意外な形でのラストも、かすかにくすぶる煙草の火のようなものを読んだ人の胸に残しつつ、絶妙な読後感を与えてくれます。皆さんもぜひお一読下さい。
とあるウイルスのパンデミックが起こった昨今。そこで翻弄される人々の様子が鋭い針のように抉ってきます。マスクやアクリル板等の救われた業種があれば、全く救われずに打ち捨てられた業種、人々も居る。誰も悪く無いからこそ、このやり場のない怒りをどこかへぶつける必要があるのでしょう。作者さんにとって、文章がそうだったのかも。
オムニバス形式の人間ドラマを、煙草に合わせて描かれています。とても思い出来事だったり、小さな出来事だったり様々です。煙草の銘柄をテーマにしたりしていますが、煙草を吸わない人、銘柄などを知らない人でも、描かれている人間模様を感じ取ることができます。私も煙草は吸いませんが、この銘柄にこの話は合っているなと思わせてくれます。