アイドルといえば、いま一番「野心のある女の子」を描くのに適した舞台ではないだろうか。
この作品は、アイドルに憧れた主人公・四月一日あかりの物語。
しかしアイドルになって事務所に所属したはいいものの、まったく鳴かず飛ばず。事務所は弱小事務所、ほとんどコンビニバイトの日々。アイドルの仕事は中学生からやっているわりに、自分はもう二十代なかば。
自分はもうこれ以上のしあがることはできないのか? このままコンビニバイトをやってて終わるのか? そう考えているときに、あかりのもとに、九州での仕事が入って来た!
この物語の魅力は、地方ローカル局でのあかりの奮闘や、そこで出会う女の子との交流。ちょっと百合展開!? と読者は期待してしまうような、可愛いアイドルの女の子たちの奮闘を読むことができる。
アイドルだって楽じゃない。でも、楽じゃないからこそ、あかりには頑張ってほしい。そんな期待を寄せてしまう作品なのだ。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=三宅 香帆)