第17話 朝チュンして部屋の外へ出た場合


ただ時刻は午前6時。昨日の飛行機の便に乗るため早起きしたせいか、早起きの癖がついてしまったのか早く目が覚めたという現状。

今から二度寝をして寝過ごすという最悪な事象は絶対に避けるために、布団から降り洗面所へ向かう。

顔を洗って、軽く肌のケアをしてからスマートフォンを弄る。特にめぼしいニュースがないのでただ画面を眺めるだけになるのだが。


それも飽きてしまったので、足音をたてないようにして外へ出る。


「おはようございます。四月一日さん早いですね」


外に出たら自販機の前に中尾さんが立っていた。


「あ、おはようございます。中尾さんこそお早いですね」


下っ端の朝は早いですからと自虐気味に応えられ、笑えないため咄嗟に話題を出す。


「今日の佐賀と長崎で巡る場所についてなんですけど、少し不安で、何か入れておくべきことってありますか?」


「え…いや…昨日の何も知らないまま臨んだ収録がすごい良かったですし、橋本さんから何も言われてないのであればそのままで大丈夫だと思いますよ」


昨日の四月一日さんのロケは実は結構巻いてたので有難かったと、会話は何故か私が褒められる展開になりすごい恥ずかしくなってきた。私を褒めても今日の収録をより良いものにするくらいしかできないですけど?!

なんなら張り切って巻いていきますけど?!



準備があるので失礼しますと数十分続いた会話が終わった。

ふぅ…中尾さんが私を褒め殺しの刑で有罪判決を受けることは危うく防がれたか。



それにしても、やっぱりスタッフさんは大変だなと昨日に引き続き実感した。…とりあえず笠井さんにメール送っておこう。





「あかり姉さん…」


メールを送信した瞬間背後から声が聞こえてきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る