第13話 ホテルに到着したら1日が終わるはず
「ということで1日目お疲れ様でしたー!」
まさかこんないいホテルに泊まることになるなんて。
夕食はバイキング形式なので、各々が好きなメニューをテーブルに持ってきている。飲み物はビールやらハイボールやらの人が多いが、私の隣の席についた久保さんが未成年で飲めないみたいなので私も配慮して烏龍茶にしておこう。
「あの、今日のロケすごい楽しかったです。私新人なのでまだタレントさんと関わる機会少ないんですけど、四月一日さんの進行がすごいよかったです!あっあとメイクあの感じで大丈夫でした?何か変えたほうがいいところありますか?」
「ありがとうございます。私なんて全然ですよ?久保さんやスタッフの皆さんのおかけで楽しく進められたんですから。メイクもすごい丁寧で、新人だって分からなかったです」
今日1日を乗り切れたのは自分の力だけじゃない。
あらかじめ流れをつくっておいた構成のスタッフさん、休憩中リラックスできるように気をつかってくれたスタッフさんたちの姿勢をみて、そして私に色々任せてくれた橋本さんたちの期待に応えたいと思ったから。
だからまずは今日の感謝をスタッフさんに伝えなくては、ということで一旦席を立って声をかけに行く。
食事の最中に、ロケの間にあまり話せていなかったスタッフさんとも会話できたのはよかった。
ただ、既にほろ酔いを通り越してガチ酔いしている2人には、声をかけても返事がない屍のようだったので、残念ながらまた明日以降に話せればいいな。
そんなこんなで2人以外と会話をしながら食事が進む。
特に久保さんと今日買った服について話していたらあっという間に時間が過ぎ去っていった。
「本当に皆さんのおかげで明日以降も頑張れそうです。1日目お疲れ様でした!」
そして気づけば、何故か〆の挨拶を任されてしまっていた。
まさかの〆の挨拶ゆえに、緊張した状態で言葉を発してしまったので少し声が震えていたかもしれない。危うく1本締めするところだった。
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