第9話 東京と比べれば田舎だと思っていました

ここが福岡…。

約2時間で空港に到着し、福岡の空気を吸おうと思ったが空港の匂いだったので一旦留まる。


さて、うちの事務所は笠井さんと社長しかいないので、誰かの付き添いなどない。もし付き添いにきて、本当に低確率かもしれないが、事務所に電話がきたらどうするのか。


ということで、この場には私1人である。今の私は結構ビビっている。



まぁ〜福岡くらい東京と比べれば田舎だし1人でも余裕!と軽く思っていたのは数日前。

やっぱり誰か着いてきてくれないかなと思ったのが離陸前。そして虚勢をはったものの怖い人たちに出くわしたらどうしようと不安になってしまった今に至る。


「…とりあえずラーメンでも食べよう」


折角福岡に来たのだからラーメンを食べに行く。美味しいものを食べればリラックスできるからと理由づけして食べログで店を探しながら移動する。








ラーメンを食べ終わりこの後合流するはずのテレビ局の方々がいるはずの場所へ向かう。

待ち合わせ場所は地下鉄で15分ほどの場所だ。

全然知らない土地名の羅列された路線図をみて目的地を探しながら切符を買う。…そういえばこれって事務所負担になるのだろうか。日時や場所、仕事内容は聞いたものの交通費に関しては全然言われていなかったことを思い出す。弱小事務所ゆえに、自己負担でお願いします、と言われるかもしれない。

まぁこれくらいは全然大丈夫なんだけど、飛行機代は出してほしいなぁなんて思っていたら目的地に着いてしまった。危うく乗り過ごすところだったがセーフ。


ポケットに入れていたスマホが震える。

テレビ局の方に私の連絡先を送ったと笠井さんから言われていたので、テレビ局の方かなと思い画面をみる。




お疲れ様です。

集合場所に到着いたしました。こちらは時間よりもはやい到着となったので、お気になさらず、四月一日さんは気をつけていらっしゃってください。


交通費は後日支給いたしますので、領収書の準備を宜しくお願いいたします。

〇〇局 中尾




テレビ局の方だった。

…事務所じゃなくて向こうが出してくれるのか…。仕事の経験がなさすぎてギャラとかの仕組みが全く分かってませんでした。


「すみません、領収書いただけますか?」


切符を買うときに領収書発行しておけばよかったと思いながら駅員さんに声をかける。



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