｢ただし九州のローカル局で泊まり込みの仕事だが…いけるよな？｣

｢全然問題なかですばい｣

｢下手くそな九州弁はやめておけよ｣

とりあえず先方に連絡して、とぶつぶつ言いながらスケジュール帳に書き込み、受話器を手にとる笠井さん。

社長と笠井さんの頑張りを間近でみることができる小さな事務所でよかったかもしれない。

大きな事務所でもスタッフの人に感謝することはあっても、スタッフの仕事の全容を知ったり、距離感が近い関係にはなったりということはないと思うから。まぁ社長が全国飛び回ってるから全然会えないけど…私を事務所に入れてくれて、こうして仕事もとってきてくれてすごく感謝はしているのだ。

この人たちのためにも頑張らないといけないな…。

｢笠井さん｣

電話を終え、一息ついている笠井さんに声をかけて肩を揉みだす。媚びを売るわけではなく、ただ日頃の感謝のつもりで。

｢そういう気遣いはいいんだけどな？まぁ次の仕事頑張ろうな｣

｢もちろんです…！｣

アイドルなのに、まだこなした仕事はイベントの司会進行。新しい仕事はロケと、アイドル感があまりないけど凄い楽しみです。

せっかくだし、記念にツイートしておこうかな。

四月一日あかりガーベラプロダクション所属

フォロー 0 フォロワー 13

今度九州でロケに参加させていただきます。

九州限定での地上波放送ですが、是非ご覧になってください。放送日時が決定次第ご連絡させていただきます。

いいね 2 RT 1

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい