第28話 挨拶の裏側

『おはよう』


と、たった一言伝えたい。

けれども私の勇気が出ずに、気づけば幾日いくにちも時はぎ。


挨拶あいさつ交わすだけなのに。


『君が困ってしまうかも』

『嫌われてたりしないかな』

なんて、ぐるぐる考えて。


そしたら今日は目が合って。

ふわっと花がほころんだ。

震える指を隠しつつ、今日こそ君に声かける。


「おはよ」

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