第11話 サーシャの報酬
乾いた破裂音が森の中に響き、バトルラビットの親分はゆっくりとその場に崩れ落ちた。
[残りのバトルラビットとゴブリン、ビッグボアが逃走を始めました。]
[バトルラビットを223匹討伐ました。功績ポイントを5,575 ポイント獲得しました。功績ポイント:262 →5,837 ポイント]
[バトルラビット固体名チャンピオンを討伐しました。功績ポイントを300ポイント獲得しました。功績ポイント:5,837→6,137ポイント]
[特殊固体に統率されたバトルラビットを一日に100匹以上の討伐し、且つ群れの統率特殊固体を討伐した報酬として、称号:ウサギの 十八代目王様を得ました。]
[功績ポイントが合計6,137 ポイントになりました。陸士長
に昇級出来ます。昇級しますか?]
めちゃくちゃポイントが増えた。
「ベルちゃん、この称号って何?この前もなんかもらったよね?」
[現在マスターは以下の称号を保有しております。
称号:ブレイブハート
称号:ウサギの 十八代目王様
称号の内容を表示します。]
称号:ブレイブハート
魔獣の初討伐でネームドを討伐した者に贈られる称号。
以下の効果が付与される:
肉体強化(中)、攻撃力上昇(中)、精神操作魔法耐性(中)、状態異常耐性(中)、クリティカル率上昇(小)
パーティーメンバーへの付与効果:
肉体強化(小)、攻撃力上昇(小)、精神操作魔法耐性(小)、状態異常耐性(小)、忠誠心向上(中)
称号:ウサギの 十八代目王様
特殊固体に統率されたバトルラビットを一日に100匹以上の討伐し、且つ群れの統率特殊固体を討伐した者に贈られる称号。
以下の効果が付与される:
敏捷性上昇(中)、幸運度上昇(大)、
ウサギ種とのエンカウント率上昇
ウサギ種の王権保持
すごいな、こんなに効果が付いていたのか。
それはさておき、昇級キター!
「ベルちゃん、昇級お願いしまーす!」
[七瀬冬馬は陸士長に昇級しました。昇級した事により次の装備が使用可能となりました。
『5.56mm機関銃MNIMI』
『*5.56x45mm NATO弾×1パック(200発)』
『*指向性散弾×1』
『1/2tトラック(現行型)』
『渡河ボート』
以上です。功績ポイント:6,137 →1,737 ポイント]
[七瀬冬馬は所定の条件を満たしました。組長に昇任できます。昇任しますか?]
「ん?なんか新しく出たね。組長?昇任??まっいいや。昇任お願いします。」
[七瀬冬馬は組長に昇任しました。組員を三名任官し、自分の階級より下の階級を付与する事が出来ます。任官された者は、自分の階級以下で権限のある装備を使用する事が出来ます。それに伴い、倉庫の使用権を組長から付与されます。]
なんか良く分かんないから、まずサーシャを任官してみよう。
「ベルちゃん、サーシャを任官して、一等陸士にします。」
[長瀬冬馬はワンマンアーミー『組長』の権限に於いて、バディー名サーシャを一等陸士に任官しました。
バディー名サーシャに一等陸士までのワンマンアーミー機能限定クライアントをインストールします。
―― ERROR ――
既にバディー名サーシャにインストールされているユグドラシルシステム基幹コードとコンクリフトを起こしました。
バディー名サーシャのバディーシステムコードとワンマンアーミー機能限定クライアントコード及びユグドラシルシステム基幹コードを統合して、統合型バディーシステムとして再インストールします。それにより不要なシステムコードはデリートしました。
統合型バディーシステムリブート。
バディー名サーシャは倉庫が使用可能になりました。]
「うん、ベルちゃん、なんかお疲れ様。」
お願いした結果、なんかとんでもなく面倒な事になった事は理解できました・・・。ベルちゃんスマソ。
「サーシャ、右目の視界の下の方に何か見えるかい?」
「はい、トーマ様。えっと、通信のマークと倉庫のマークとマップ?のマークが見えます・・・通信?倉庫??」
「ハハ、混乱してしまったね。通信とは離れててもお話しできることだよ。倉庫は実際に見てみようか。倉庫のアイコンに視線を当ててごらん。」
「はい、えっと~、こうしてっ、ととと・・。難しいです~。」
サーシャは涙目になりながら挑戦した。うん分かるよ、俺も最初はそうだったさ。
「できました!トーマ様。えっ、すごい!色んな装備があります!」
「それじゃ、装備の出し入れの練習で、俺の倉庫からサーシャの装備を出して手渡すから、自分の倉庫にしまってみて。」
倉庫内で渡せば良い事は分かっているのだが、まあ練習だよ。
俺はサーシャの装備を一つ一つ全部取り出して、サーシャに渡した。それをサーシャは手に取り、一つ一つ自分で倉庫に収納し後方支援連隊さんにメンテナンスをお願いしてた。
「さて、サーシャが無事に倉庫が使える事が分かったので、まずは面倒な仕事に取り掛かろう!というわけで、二人して今倒したバトルラビットを全部倉庫に回収して解体します!」
「はい!ではどっちが多く回収できるか、競争ですね!」
サーシャはニッコリ笑ってそう言うやいなや、残像だけ残して周りのバトルラビットを手当たり次第に回収し始めた。
「えっ、ちょっ!まってー!」
二人の競争が始まった・・・。
―――――
「サーシャさん、参りました。」
「エッヘン!」サーシャが胸をそらして勝ち誇っている。本気を出したサーシャは、正に狼の様に森の中を駆け回り、白いモコモコ達を片っ端から回収して行った。
しかし、この白いモコモコ達みんな悪そうな顔しているな~。
コイツラの戦い方って、ブタ並みの体を強靭な脚力で瞬間的に加速し、猛スピードで敵に頭っから突進するから、ぶつかったらたまらないだろうな。一種の質量兵器だよ!まったく。
それで、おそらくコイツラみんな頭からぶつかってくもんだから、顔中に傷をいっぱい付けているんだよ。
だから、ウサギ顔なんだが、見た感じが凶悪なヤ〇ザ。
と、そんなことを考えながら現実逃避していると、サーシャがチョンチョンと俺の肩を突いた。
「ヘヘ~。トーマ様。競争はサーシャの勝ちでしたから、ご褒美をください・・・。」
サーシャが照れながらおねだりしてきた。
「は~っ、負けちゃったよ。サーシャめちゃ早かったよね!それでご褒美は何が欲しいんだい?」
「はい!頑張りました!
それでですね、できればどこかで水浴びがしたいのです。もう何日も逃げている途中だったので、そんな余裕がなかったのです・・・。でもそろそろ気になって・・・っ、狼はきれい好きなのです!」
「そうなんだ、分かったよ。じゃ今晩何とかしよう。」
俺はそうサーシャと勝負の報酬を約束し、戦いの跡地を離れた。
まだまだ深い森が続いている。
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