第22話 湯煙純情

 バルガーム・パシャが酔いつぶれた。やはり名酒ヤ〇ザキの前に敵ではなかった!

 バルガーム・パシャがつぶれると、警護を除く商館にいる使用人全員にバルガーム・パシャを救った事のお礼をそれぞれ言われた。やはり慕われているんだなコイツ。いびきかいてよだれ垂らして寝てるけど。

 俺は何でもないと言って、彼らの感謝を受け取った。

 使用人達が食堂から出ていくと、エリクシアが俺たちを浴室に案内してくれた。


 お風呂キタ――――――!!


 森での水浴びもよかったが、イロンナイミで。でも俺はお風呂に入りたかったんだ!俺の日本人としての遺伝子がそれを求めているんだ!

 風呂場を覗いてみると・・・・広い!5人は一遍に入れる広さがあり、マッサージ台まで完備している!


 「サーシャ隊員!お風呂に突撃だ―――!」


 「アイアイサー!」サーシャが敬礼しながら答えた。どこで覚えたんだよそのネタ!


 俺はエリクシアが出て行ったのを確認して、俺とサーシャの装備を全部脱ぎ捨て(脱いだ装備は全て後方支援連隊に回しました)サーシャと一緒にマッパでお風呂に突撃した。


 「トーマ様!お湯がこんなにたくさんありますー!」


 サーシャの声も興奮で上ずっている。


 「そうだよサーシャ隊員!これが地上の楽園なのだうよ!!」


 俺は早速サーシャを湯船の脇に座らせて、いつものお風呂セットに加えて、今回は奮発して檜製のお風呂椅子を購入して取り出した。


 「キャー!」早速俺はサーシャの体中を泡まみれにしてイチャイチャしていると、突然風呂場の扉が開いて、白くて薄い湯浴み着、恐らくは木綿製の、を着けたエリクシアが乱入してきた。


 「遅くなりました。湯浴みの介助にまいり・・・・あっ!」


 エリクシアは俺がサーシャを泡まみれにして遊んでいるのを見て固まった。


 「えっ?」


 エリクシアの湯浴み着が湯気を吸って、その豊満な神聖不可侵領域をうっすらと覗かせている・・・。そのケシカランサイズの双丘とその頂きとか、太腿の付け根の黄金の密林とか・・・ゲフンゲフン。 俺もエリクシアのそんな刺激的な姿を見て固まってしまった。もちろん愚息も。

 だが、サーシャの尻尾を泡立てる手だけは止まらなかったよ。


 「んーッ!!」


 サーシャはエリクシアを見てスタンダップした我が愚息をガン見して、頬をプックリと膨らませて俺の内股をつねった。かなり強くな。


 「あの~ナナセ様、お背中をお流しいたします。」サーシャの攻撃に身を震わせて耐えている俺に、エリクシアがそう声を掛けてきた。鼻にかかった色っぽい声だ~。


 「ダメー!それはサーシャがやります!」


 サーシャはお風呂椅子から立ち上がり、俺をエリクシアから庇うように両手を広げてエリクシアの前に立ちはだかった。

 俺は目の前でプラプラ揺れているサーシャの尻尾を思わす握ってしまった。いや、ただ何となくダ。


 「ヒャン♡」


 サーシャがなんか可愛い声を上げて風呂の床にペタンと女の子座りすると、エリクシアは俺が持ち込んだ〇ブのシャンプーとボディーソープのプッシュボトルに気が付いたようで、「それは何でしょうか?」と尋ねてきた。


 「これはシャンプーとボディーソープなんだけど、どう説明しよう?実演するにしてもサーシャは泡を流すだけだし・・。そうだエリクシアさんの髪を洗ってあげましょうか?

 百聞は一見にしかずですよ。」


 通訳の魔道具は、隣の脱衣所に置いてきたのだが、ここも魔法の効果範囲に入っているようで、通訳の魔道具が良い仕事をしたようだ!エリクシアは編み上げた髪をほどき始めたのだ。

 手を動かすたびに、エリクシアの双丘がプルンと揺れて・・・ケシカラン!

 その隙に、俺はサーシャの体を全力で洗い流し、サーシャの両脇を持ち上げて湯船の中にポチャんした。

 サーシャはプックリ頬を膨らませて、俺に抗議した。スマヌ。

 俺はサーシャのプックリ膨れた頬を、ツンツンしてあげてご機嫌を取ったよ。


 「それじゃこのお風呂椅子に座ってくれ。」


 俺はサーシャにやったとおり、エリクシアの眉のあたりに左手で水除を作り、お風呂に備えてあった手桶でエリクシアの腰まである長い髪をお湯で濡らした。

 エリクシアの顔って小せー!見て分かってたけど、触ったらホントにびっくりだよ!

 

「ここをポンピングしてシャンプーを出すんだけど、エリクシアの髪は長いから3プッシュくらいかな?」


 俺は手に取ったシャンプーを両手で泡立てると、さすがに3プッシュは多かったよ。1プッシュずつ分けてやった方が良かったのかな?

 そんなことより目の前に偉大な谷間から目が離せない。しかも髪を濡らす際にエリクシアの体にもお湯がかかったので、湯浴み着がぴったりと体に張り付いてもはやほとんどシースルーになっている。

 

 「ムーッ!ムーッ!」


 愚息が暴れているのを見たサーシャが抗議してきた。

 すまんサーシャ、これが若さなのだ!


 俺はシャンプーの泡をエリクシアの頭につけて、マッサージを始めた。


 「ふうっッん。とても気持ちいいです。」


 エリクシアの艶やかな声を聴いて、マイサンがエクスプロージョンしそうになる。

 

 「トーマ様がエリクシアさんを洗っている間、私がトーマ様の体を洗います!」


 そう言ってサーシャがバシャんと湯船から飛び出して、ボディーソープをポンピングした。


 「体を洗う石鹸はこうやって取って、手で泡立てでから直接手でトーマ様の体を洗うんです。でもこれは私の役目なので、エリクシアさんは座っててください!」


 サーシャは何故かエリクシアに対抗意識むき出しで俺の背中を泡立てた。

 そしてサーシャは俺の背中にペタンと自分の胸を付けて、両腕を俺の胸に回して俺を抱きかかえ、全身を使って俺の体を洗いだした・・・。サーシャ恐ろしい子。


 俺はサーシャの攻めに歯を噛みしめて耐えながら、エリクシアの美しい体を愛でて、長い髪を淡々と洗う。

 どれくらいの間だったろうか、浴室の中には髪や体を洗う音と誰とは言わない艶やかな荒い息づかいだけが響いていた。


 「ストーップ! はいサーシャそこまで、お湯で流して。俺もエリクシアの髪を流すから!」


 あっ、危なかったよ。危うくエリクシアの目の前で暴発するとこだったよ・・・。

 サーシャは蕩けた顔で体を離し、手桶でお湯を汲んでまずは自分の体から泡を流し始めた。

 俺もエリクシアの髪を流そうと彼女の顔を覗くと、潤んだ彼女のアメジストの瞳と目があった。エリクシアはハッと気を取りなおし、アタフタしながら俺から目を逸らした。


 3人とも泡を洗い流して一緒に湯船に入り温まった。

 なんか気まずい沈黙が流れているが、サーシャは相変わらず俺にべったり抱き着いてきて、ハーハー息を荒くしている。

 

 今更ながら照れ臭くなった俺は、「そろそろ出よっか」と二人に告げで立ち上がった。二人の目が愚息にロックオンしていて恥ずかしい。

 お風呂道具を回収し、3人分のバスタオルを出してあげる。エリクシアはバスタオルの肌触りをとても喜んで、長い髪に巻くためにもう一枚バスタオルを出してあげると、とても嬉しそうに礼を言って、バスタオルを髪と体に巻いて出て行った。


 俺とサーシャは別のメイドさんに寝室まで案内してもらった。

 恥ずかしくてメイドさんの顔をまともに見れんかったよ。

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