flight 2. ③
「ね?今来た人たちはみんな空港スタッフだよ?天野さんはみんなのあこがれの的なんだよ。」
「そうなんですかね?みんなにあんな感じなんじゃないんですか?特に私顔が怖いから怒らせないようにとか....。」
うっ、今の発言我ながら傷ついた。これから自分では言わないようにしよう。
「ん?気にしすぎじゃない?顔別に怖くないよ?むしろきれいだと思うけど。」
「そうよそうよ、美空ったら気にしすぎなのよ。きれいなんだから自分に自信もって!」
いつの間にか佑輔と話していたはずのサラまで後ろを振り返って会話に参加してるし...。
「ありがとう、サラ。それから冷泉機長も、ありがとうございます。」
「今日はよろしく、天野さん。」
「こちらこそキャプテン冷泉。」
そうして話しながら歩いていると今日私たちが乗るトリプルセブン(777)が見えてきた。パイロットは基本的に操縦できる機種が決まっている。冷泉機長はトリプルセブンとジャンボの資格を持っているらしい。もうジャンボはほとんど飛んでいないんだけどね。個人的にジャンボが一番好きだったりする。
二つの機種の免許を持っている人はまれだから冷泉機長は本当にすごい人なんだと思う。
私も飛行機の中でトリプルセブンは大好きだ。形も一番オーソドックスな飛行機だけど、大きくてきれいな尾翼だと思う。飛行機を見たらやる気が出てきた!
カウンターの準備をしていたGSに会釈してお客様より一足早く飛行機の中へ入る。
飛行機の中に入ってまずやることは、機内食の準備やドリンクの確認、さらに座席のメーキングなどをする。
その後、緊急用の物や、アナウンスの確認などをする。
「コーパイの三郷です。では皆さん確認をします。ご自分のことを”オハナ”にたとえてアナウンスしてください。」
お!来た来た。”オハナ”といったらあれしかないでしょ。それにパーサーの私から始まり、次が絶対に拾ってくれるサラ、ときたら...
「はい。L1天野、鉤鼻(かぎっぱな)です。」
「え?そっち?そっちのハナ?(ふはっ!)」
なんか佑輔のつぶやきが聞こえるけどムシムシ。それと噴出した声が聞こえたような気がするけど....。
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