flight 2. ②

それからかなり時間は押したものの無事にブリーフィングを終えみんなで機体のほうへ移動することになった。


無意識に私とサラ、佑輔と冷泉機長で固まって移動していた。この時間帯

(午後9時頃)に出発する便は多い。代表例でいうと、ハワイ便が多いかな。


だから家族連れが多い。そしてそんな中を縫って歩いていく制服4人組はとても目立つ。


ただでさえ目立つのに一緒にいる冷泉機長のせいでお客様にも、空港職員たちにもギョギョロと見られる。


あまり見られることに慣れていないため居心地を悪くしていると、いつの間にか隣に移動していた冷泉機長に話かけられた。


「先ほどは失礼しました。」


「いえいえ、先ほども申し上げましたがあれは佑輔と私の失態です。確かに私情を持ち込み気味でしたしね。」


「家族なんだから仕方ないでしょう。」


「そうですね。本当の兄弟みたいに思っています私も佑輔も。」


「そうですか。それにしてもみんな貴女のことを見ているな。気を付けたほうがいい。」


へ?この人何を言ってるのだ?見られてるのは自分なのに....。今といいさっきといい、この人相当な鈍感なのかしら....。



「いやいや冷泉機長、見られているのはあなたですよ?お気づきにならなくて?」


「いや、私も見られているのは分かっていますよ。なにせパイロット服は目立つのでね。でも、貴女も相当いろいろな方に見られていますよ?クルーたちにも。」


『見てみて、あのお姉さんかっこいい!』


『うわっCAってそそるな。俺次の彼女CAにしよっかな。』


『モデルさんかな?背が高くてきれいな人ね。』


『あのカップル素敵!』


言い合いをしているそばからこんな会話が聞こえた。今までまさか私のことだと思っていなかった。


「でも、私のことをよく知らないお客様だけですよ。」


「そうかな?ほら、」


「?」


何だろう?


『あの、天野先輩、今日のフライト頑張ってください!』


「う...うん。あ..りがとう。」


『天野さん、私天野さんのフライトのGSなんですけどご迷惑をお掛けしないように精いっぱい頑張ります!』


「う..うん。でも、少しは肩の力を抜いてね。いつもありがとう。感謝してます。」

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