第10話 スキル検証1

「うーん、まさかのラノベ的展開になるとは」


誰も予想だにしないことだろうとため息をつく。本当に神様がいてその神様のミスで今の状況になっているのだ。しかも神様の助けはもうない。自分たちで何とか頑張らねばならない。


(ていうかこれ誰かに言っても信じてもらえないでしょ)


ネットで調べたところ、謎の生物が出現したといっても今は小康状態になりつつあるらしい。もし、この事実を伝えたとしても今の状況じゃいたずらに不安になっている人々をより混乱させるだけだし、信じてもらえるどころかネットでの炎上案件になること間違いなしだ。あと、頭のおかしい人だと思われる。


「まあ、言うかどうかは保留で」


そう決めると私は荷物を置いている部屋に戻る。


「とりあえず今日はもうすぐ夕方だし外に出ずにスキルとかの検証をしようかな?」


今日はダンジョンに逃げ込んでからダンジョンの中を探検したり、あの映像を見たりしてかなり時間が過ぎてしまった。映像はそれほど長くなかったけどダンジョンがね。隅から隅まで鑑定しまくりながらしらみつぶしに見ていき、疲れたら休憩というルーティンで探検したのだ。広さはそこまでなくてもなかなかに時間がかかった。


「じゃ、まずは・・・鑑定は使ったから、無限収納だ!」


無限収納、つまりはあの青いロボットが使ってるポケットみたいな感じかな?というか、ラノベの異世界ものでは定番すぎるスキルだよね。よし、試してみよう!


(まずどうすれば発動するかな・・・)


ラノベだとイメージするだけで発動したり、声に出すことで発動させていた。なら・・・


(どんなものでも入りそうな箱をイメージ)


私は、どんなサイズのものでも入る箱をイメージした。


「・・・できた」


私の前には半透明な箱が浮かんでいた。それに適当にその辺にあった小石を入れてみた。


「おおーすごい!」


小石はするっと入り、さらには顔の前に半透明のボードが浮かんでいて、それには、〔小石×1〕と表示されていた。わかりやすくて便利!


(うーん、世界の融合前にもこれ欲しかった。片付けとかすぐ終わりそう。)


そんなことを考えた。リスト化されるので、片付けが苦手な人でもすぐに片づけられるな。


(・・・はっ!ということは片付け損ねていたグッズもきれいに整理できる!?)


など、ついつい考えてしまった。あの後、スキル名を唱えても発動できることが分かった。あと他に分かったことは、

・空間内は時間経過がない、もしくは限りなく遅い

・サイズは今のところ持っていたリュックサックほどの大きさまでなら問題なし

・今のところ、持っていたもの全部の合計の重さ(約10kg)までなら確実に入れることが出来る。

の3つだ。ほかにも調べたいこともあるので、また後日検証しよう。いやーマジ便利すぎるよ無限収納。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る