幼い頃、歳上の人達は妙に大人に感じた。一つでも上なら頼りになる気がして、何をやっても勝てなかった気がする……。
物語の主人公慶太にもそんな相手が居た。それが柚月……慶太にとって柚月はとても大切な友達で、そして淡い想いを持った相手──。
作中に描かれる情景はまるで自分がそこに居る様に感じることができました。二人の関係性の描写、慶太の心情に心が切なくなる程です。
起承転結もお題から組み立てられたとは思えない完成度。散りばめられたニクい演出に思わず微笑んでしまいました。
そしてこの物語の見所はその結末──これは是非とも読んで感じて欲しい名作と言えるでしょう。