第402話 402.恋する乙女って感じがするんですが
◇◇ レイ ◇◇
「今日は付いてたな~エデン城塞都市の警備は最近ザルで助かるぜ」
40代後半にはなるだろう身長190はあると思われる巨漢の男が今にも涎を垂らしそうな表情で気味の悪い笑を浮かべる。
うをぉ~めちゃ気色悪いぞ~
そんな男の手が俺の胸を狙って伸びて来る
どうする俺?
このまま切り捨ててダンジョンの餌にする?
それともジャーネにお願いしてミスリル像にして売り捌く?
そういや最近忙しくってミスリル像にして売り捌いてないよな?
って思ったら
「バリバリバリー」
「バリバリバリー」
「バリバリバリー」
「バリバリバリー」
暗い公園の闇を切り裂く青い稲妻の光と音が当たりを照らす。
「お嬢さん大丈夫ですかい?」
突然俺に掛けられた底冷えのするような男の声
そんな声に
「うをぉ」
一瞬変な声を上げてしまう
「驚かないでくだせいよ~ありゃお嬢じゃないですかい」
そんな聞き覚えのある声に顔をよく見ると・・・
エデンの警備をしているオーガストとバリーだった
お前達!!
なんでこんな所に居るんだよ!!
なんて答えりゃ良いんだよ?
取り巻きにハブられて寂しいからちょっと散歩に?なんて言えねえ~(;'∀')💦
取り合えず誤魔化そう💦
「あ・・ありがとうオーガストにバリー、絡まれて襲われそうになったから切り捨てようかと一瞬悩んでた所だったんだ」
此処の所、メイドさん達や仮区画で助けて今『娼館都市エデンズパラダイス』で働いている女の子達の魔法訓練に掛かりっきりだったから一瞬そう対応しようかと迷ってしまった俺だ。
最近人を殺す事に躊躇しなくなった為か、こんな変な奴に絡まれただけで切り捨ててしまいそうになってしまっている。
「おおおおお~~お嬢~な・・なんなんですかい~~その反応
いつものお嬢と違って何か~
そう!!
恋する乙女って感じがするんですが
お嬢
もしかして、お嬢好きな人とか出来たんですかい?」
オーガストの言葉に思わず
恋する乙女?
え?
誰が?
え?
もしかして
俺?
ちょっとパニくってしまった俺
いまの表情が『恋する乙女』って思われている事が恥ずかしい
「誰が恋する乙女だ~!!俺は恋なんてしてねえ~!!」
「あはははぁ~お嬢はそうでなくちゃ、何時ものお嬢で安心しましたぜ」
「そうそうお嬢はそうでなくちゃ」
その言い方・・お前達の中で俺はどんな風に思われてるんだ?
ちょっと気になる
でも
聞けねぇ~~(;'∀')💦
俺は結構気が弱いんだよ(;'∀')💦
「俺だつたらこいつら確実に殺してたからオーガストにバリー助かったよ、ありがとう」
「あははは~お嬢にお礼言われちまったぜ、まあこれが俺達の仕事ですからな」
「そうですぜ。最近こんなのが多いですからね~困ってしまいますぜ」
最近多い?
気になるな・・・
前から少しは有ったには有ったが・・
「前も少しは有って、公開処刑してから無くなってたと思ってたんだが、また多くなってきているのか?」
「そうなんですぜ、お嬢が公開処刑でミスリル像にしていた時は一旦落ち着いて居たんですがね~、此処の所移住者が急激に増えてから、牢獄もほぼ満杯状態ですぜ」
「そうだな、アンジェリーナに移住者の件は任せっぱなしにしてたから気づかなかったが、急激に人が増えたな」
「そうなんです。毎日こうして交代で見回りをしていますが、一日20人以上は確実に捕縛していますぜ。困ったもんです」
「牢獄一杯になってきているんだったら、近い内に公開処刑やってミスリル像にしてオークションでもやってしまうか・・・」
「それがいいですぜお嬢」
「移住者と旅人が増えて最近じゃあの公開処刑知らない奴ら増えましたからな。公開処刑を定期的にやれば相当効果が出ると思いますぜ」
警備隊のオーガストにバリーはマジックポーチから運搬用ボードを取り出し電撃警棒により無力化された男達を乗せ去って行った。
この公園も暗いな・・・
治安も悪くなっているし、街灯の魔道具も増やさなきゃな・・・
そんな事を考えながらエデンギルド本部のオープンテラスの照明を頼りにギルド本部へと足を進める俺だった。
つづく・・・
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