第364話 364.奴隷が全く居なくなったフォンティ城塞都市

◇◇◇◇


フォンティ城塞都市は『神託の石板』を見つけその導きにより黄金の弦の無い無限に光の矢を連射出来る弓10本を見つけたアルバーノ・フォンティにより人口5000人程のフォンティ城塞都市は付近の城塞都市を落とし住民を奴隷化し城塞を大きく拡張し拡張した領域を使って小麦を栽培し莫大な金額を手にしてきた。


そうして付近の有力城塞都市を併合しながらさらに拡大

フォンティ城塞都市の平民人口15万人

奴隷の人口は11万

合計26万人の巨大城塞都市へと変貌していたが、発展の原動力となったのは全て奴隷の労働力だった。


アルバーノ・フォンティがエデンを落す為に、他の城塞都市と連携してエデンにむけ出兵

そのまま帰らぬ人となった城塞都市フォンティ


フォンティ城塞都市領主館では


アルバーノ・フォンティの101人居る妻である第1夫人ジェシカ・フォンティが恐怖に顔を真っ青にしながらも

「何よ!!あのエデンの女達

フォンティ城塞都市の正面門を破壊して入った挙句に大通りでテーブルを出してお茶会!!

ふざけるんじゃ無いわよ!!

差し向けた2000人の兵士達は一瞬で燃やされてしまうし

それに恐れをなした兵士達は、私が命令しても動かないし


怖かったわ

『フォンティ城塞都市の者達よ

エデンを落とすために集まっていた軍隊は全て殲滅した

捕まえている奴隷を全て差し出せ

そうすれば、この街には何もしない!!


もしも、抵抗するならば全て殲滅する

1時間やろう

1時間のうちに決めるがいい


『奴隷を差し出し生きるか』


どれとも


『戦って死ぬか』


選べ』



あんな事言われて

『ハイそうですか』

って奴隷達を解放出来るハズ無いじゃない!!

奴隷は私達の生活の一部!!奴隷無しの生活なって考えられないわ!!


だから

『奴隷は絶対に返せない』


『奴隷を返さなければ殺される』


あの容赦のない業火で焼き尽くされてしまう・・

私は震えて腰が抜け歩けない状態で一歩もp動けなかった。


10分・・・


20分・・・・



30分・・・・


そして約束の1時間が過ぎ・・・


・・・


・・・


出て行かなければ、皆殺しにされると思ってたけど

でもいつの間にかエデンの女性達は消えていた?


アルバーノの100人の妻達と震えながら抱き合って無言のまま過ごした時間が嘘のよう


「ジェシカ様、外が静かになったようですがどうしたのでしょう?」


第2夫人のローレシア・フォンティが第1夫人のジェシカ・フォンティに恐る恐るきいてみる

「ど・・・どうなっているのでしょうね」

第1夫人の座であるジェシカはおしっこをチビリながらも威厳を保つ為気丈に

「外に出て確認してもらいましょう。ケアリー、ケアリーは居りませんかいたら直ぐに来なさい」

と大声で執事のケアリーを呼ぶのだった。


暫くすると息を切らせた60代位の男性が息を切らしながら走って来て


「奥様、ケアリー只今参上致しました」


と息も絶え絶えに言葉を紡ぐケアリー

そんなケアリーに

「エデンの侵入者が入り込んでいたのだけど、静かになったみたいなの直ぐに確認してきなさい」

第1夫人の死刑宣告にも似た命令が下る


「は・・はい・・・奥様・・・直ぐに確認してまいります」


額に浮かぶ冷や汗を必死で拭いながら耐え抜くケアリー

殺されるかもと思いながらもケアリーは仕方なく領主館の外に出てエデンの女性達が居た大通りに向かったのだが・・・


『誰も見当たらない』


シーンと静まり返つた状態だ

民衆も家の窓を少し開け、確認し始めているようだ。


「不思議だ、誰も居なくなっているな。あの女性達に見つかったら焼き殺されるかとヒヤヒヤしながら出て来たのに損した気分だ」


緊張のあまり独り言を無意識に言っている事を気づかないケアリー

ケアリーは息切れしながらも領主館に帰り、その事を話すと


「ケアリーご苦労様。下がって良いわ」

「はは」

っと言ってケアリーは解放された喜びについ走り出したくなる心を押さえ、静々と歩いて第1夫人の前から歩いてさってゆく


「ジェシカ様安心したらお腹すきましたわね」

「そうですね皆さんしょくじにしましょうか」

「「「「「「「「「「良いですわね~」」」」」」」」」」


アルバーノの101人の嫁達は一斉に賛同


「奴隷達直ぐに食事の支度をしなさい!!」

何時ものように奴隷に指示を出すが返事が無い


「ローナ、奴隷のローナは居ませんか?」


「ローナ!!」


「リンダ!!」


「ライラ!!」


幾ら奴隷の名前を読んでも返事が無い

しょうがないので再度ケアリーが呼ばれる事となり、奴隷を探して食事の支度をさせろなんて不運なくじを引いた物だとボヤキながら奴隷達を探したが見当たらない!!


10分位領主館の中を探してみたが・・・


「奥様~~大変です!!奴隷が一人も居なくなっています」

「「「「「「「「「「「何ですって~~!!」」」」」」」」」」


こうして奴隷に頼っていたフォンティ城塞都市は滅びの路を歩み始めるのだった。



つづく・・・

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