第284話 284.『断罪の魔道具』

◇◇ レイ ◇◇


俺達はディアナの両親とお茶をしながら近況報告をした後本題に入る


「クライドさんルーシーさん、このラドスの城塞都市は近い将来滅びます。

理由はうちの領地エデンでこのラドスの塩よりも質の良い塩を生産しているからです

その塩の値段は10キロで大銀貨1枚、ラドスの塩の値段の10分の一

そんな塩がここ20日前位から出回り始めています

そんな塩が出回れば・・

誰もラドスの塩は買わなくなるでしょう

大体10キロの塩が金貨1枚なんて値段で誰が買うでしょう

山奥の城塞都市などでは、金貨2枚と言われている所も有るみたいです。


必需品である塩を武器に他の城塞都市に無理難題を吹っ掛けて、商品を根こそぎ盗賊のようにかっさらってゆくラドスの塩販売商隊、今何処の城塞都市でもラドス城塞都市は嫌われています。


そうなれば、私の領地の塩を手に入れた今まで虐げられて来た城塞都市はどういう態度をとるのでしょうね?

近い将来ラドス城塞都市は確実に滅びます。


そこで相談なのですが・・・

ディアナさんを助けた都合上、滅ぶ事が確定してしまっているこの城塞都市に私達は、ディアナさんの両親であるクライドさんとルーシーさんを残してはいけない訳ですよ。


クライドさんとルーシーさんディアナさんと一緒に私の領地エデンで一緒に住みませんか?

ディアナさん、クライドさん、ルーシーさんの生活は保障しますよ?」


そう言って某有名チョコレートメーカーのゴ〇ィバのチョコレート30個入り箱を出してお勧め

女神様達にもちゃんと某有名チョコレートメーカーのゴ〇ィバのチョコレートを出しましたとも!!

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』


「「美味しい~此れなんですか~」」

クララとディアナはいままで出してなかったから当然の反応


それを見て

『(´~`)モグモグ』

『(´~`)モグモグ』

クライドさんとルーシーさん

「「美味しい~」」

って同時に歓声を上げ

「是非エデンに行かせて欲しい」

「このお菓子がたべれるならば私は何処でも良いわ」

ルーシーさんその判断はヤバいですよ?


なんかお菓子で釣った感じ・・・だな・・

まぁ~そのつもりで出したんだけどさ~


クライドさんとルーシーさんがエデンに移転してきてくれる事が決まったし、俺はマジックポーチをクライドさんに渡し、移転に必要な物を入れて貰うようにお願いするとビックリしていた。


この世界でマジックポーチなんていう物の存在は知られてはいるが、昔話であるだろうというようなあやふやな物

現物何て誰も見た事が無いって言うのが常識らしい。


クライドさんとルーシーさんはもうその辺にある物千部マジックポーチに


『ボコ』

『ボコ』

『ボコ』


とその辺にある物を全部投げ込んでゆく。

10年間暮らしてきて一緒に買った品物なんだろうからそりゃ~愛着あっても仕方ないよな・・

俺としては

『この際断捨離してみたら?』

なんて思ったりしているのが・・

言えない(;'∀')💦


準備が出来た所でクライドさんとルーシーさんに外の様子を見てもらうと・・

普段よりも人は多いが兵士達の姿は無いようだと伝えてくれる。


俺達は兎に角目立ちすぎる!!

さっき塩田から『魔動キックボード』で逃げて来て、全員服もこの世界の服じゃ無くふりふりフリル一杯のけちゃめちゃ可愛いドレス姿だからな。

こんなフリフリのめちゃ可愛いドレス姿で外に出れば一発でラドスの人間じゃないって解ってしまう。


クライドさんとルーシーさんが家の外に出て左右を確認して兵士の居ない事を確認すると、ハンドサインで外に出てきていいと合図を送ってくれる。


俺達はクライドさん達の家から出てその場から上空に退避・・・

って思ってた所に神官服を着た男達が姿を現し!!



「ラドスを害する神敵を発見したぞ~~~全員捕らえろ!!」


何処からか俺達は見張られていたらしい!!

レイラ

クリスティーナ

クリスティーン

クララ


4人がスタンガンを神官達に向け


「バリバリバリバリー」


っと空中放電

一瞬で集まっていた神官服の男達はスタンガンの空中放電の電撃を浴びて感電失神継ぐ次に倒れてゆく。

神官達が最初に発した大声のせいで兵士達も次々に集まって来て倒れた神官を見て



「ラドスを害する神敵!!」


そういった瞬間にひと際大きな男は懐から金色に輝く魔道具を取り出し



「不浄なる異国の神敵をドニアス神様の業火で焼き尽くせ」



と大声で叫んだのだった!!


その声に!!

俺の脳裏にその後のこの周辺の凄惨な光景が一瞬脳裏に浮かぶ


「ヤバイ!!」



俺はそう言った瞬間全員を地上1000メートルの上空に一瞬で移動させていた。


「女神様これって?」

「天使の飛翔ですね」

「天使の飛翔って何?」

「思った所に移動できる能力ですよ?」


女神様は可愛く小首を折って俺に微笑みながら告げてくる

「あの~天使の能力って可愛いだけだって言いませんでしたっけ?」

「言いましたよ?可愛い事は最も大事な事です!!思った所に移動できる能力なんて取るに足らない些細な能力です!!」


ううう~

そうですか~

女神様にとっては、瞬間移動が取るに足らない些細な能力ですか~


眼下には・・・

2キロ四方を業火に囲まれ激しく燃える街並みがあった。


「奴ら・・・

使っちゃったんだな・・・」


「嘘で塗り固めて真実を伝えなかったルイス・ラドス枢機卿の責任です。魔道具の事実を教えていればこんな不幸な事故は起こらなかったでしょうね」


女神様の説明に

クライドさんは

「本当にあの魔道具は業火でその周辺の物を焼く尽くすだけの魔道具だったんだな」

と眼下で燃え盛る街並みを見ながら寂しそう

その横で奥さんのルーシーさんがクライドさんの体を抱き締めている


クライドさんとルーシーさんが10年間住んで居た家もあの炎の中で燃えている

思い出がいっぱい詰まっていた家


そう考えると心が


『ズキン』



と痛む


ディアナはそんな俺の体をそっと抱き締めてくれる

ディアナには俺の気持ちが解ってしまったのかな?


俺は誤魔化すように


「みんなエデンに帰ろう」

「女神様帰るのはどうしたら良いんだ?」

「頭に思い浮かべて『天使の飛翔』とか思えば良いんじゃないですか」

「そうですか。じゃ~遠慮なく


    『エデンに帰還』」


お俺が『エデンに帰還』って言った瞬間に俺達は・・・


『シンデレラ城の前に立っていた』


つづく・・・

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