第275話 275.絶対に死なせない!!

◇◇ アルテナ ◇◇



レイが歩いて来る白い神官服を着た3人に声を掛けた時・・

物凄く嫌な感じが私の体の中を駆け巡った。


そう・・あの神域からレイが召喚してくれ、この地上に落ちる間に神域から攻撃された時のようなそんな肌を刺す痛みに似た感覚・・・


懐かしくも悍ましいオーラに似た何か・・・

『不浄なるエデンの地をドニアス神様の業火で焼き尽くせ』

レイアード聖ドニアス教会司祭長ギディオン・テルフォードがそう言った瞬間に私、レイラ、クリスティーナ、クリスティーン、クララの体が例によって跳ね飛ばされた!!


まさかレイアードレイアード聖ドニアス教会司祭長ギディオン・テルフォードがそんな魔導を持ち出すなんて思ってみなかったんだもの!!


そう


『自爆の魔道具』


自分の命と引き換えに膨大な業火を発生させて、自分を取り巻く辺り一面を業火で焼き尽くす魔道具!!

そう言えばこの魔力には見覚えが有る!!


レイは力の供給源だと思われるレイアード聖ドニアス教会司祭長ギディオン・テルフォードを殺したけれど、間に合わなかった!!


「レイ何をするの~?」

そう叫んだけれどレイには聞こえなかったみたいで、自分と聖ドニアス教会の3人を結界で覆ってしまつた


「レイ死んじゃイヤ~~~」


って言った言葉も届かない!!

何で私だけを置いて行っちゃうのよ!!


何も出来ない自分が悔しい


多分レイは自分の命を犠牲にして、此処のエデンに居る人達の命を助けるつもり!!

もう何もかもが手遅れ


レイの構築した結界の中が業火の火で覆われ焼き尽くされ


レイの

「ぎゃーーーー」

っていう悲鳴が一瞬聞こえた気がしたけど・・・

それは一瞬


結界の中は業火の火で埋め尽くされ業火の火以外何も見えない

何も出来ない自分がどうしようもなく


悔しくて・・・


悲しくて・・・


苦しい



苦しいよ~



胸が張り裂けちゃうよ~


私は・・

結界の中で業火燃え盛る結界に駆け寄り


「消えて~~!!」


と結界を叩きながら叫んでしまっていた私

「止まってよ」

「なんで私のいうこと聞いてくれないのよ」


私は・・・

何も出来なくて

ただ・・

涙を流す事だけしか出来なkて・・・


レイが居なくなる恐怖に意識が飛んで行く・・・

朦朧とした意識の中で


「・・・・」


何か・・

その瞬間結界が



「パリン」


っと砕け散り、燃え盛っていた業火の火が一瞬で消え・・・

なかから出て来たのは・・

半分事情体が燃え尽きたレイ・・


「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


私はそれをみて気が動転していたのだろう・・・

マジックポーチに収納していた一番最初の肉食花の抽出液の入ったアンプルを・・

飲まそうとしても口さえ解らない・・


そんなレイを見ると涙がこぼれ落ちてしまう


「泣いてても何も始まらない!!」


自分でそのアンプルの瓶を開け


『ぐっ』



っと口に含んでレイの口だろう場所にくちづけし、レイの体の中に一気に流し込む


レイの半分以上燃え尽きた体が淡く光り、急速に体が再生してゆくけど・・・

失った物が多すぎる・・・

『フェン』ちゃんの時は欠損も一瞬で治ったじゃない!!

何でレイは治らないの!!

おかしいじゃない!!

『フェン』ちゃんの場合、この肉食花の抽出液1本で死にかけた状態から一瞬で治ってその上シルバーウルフからフェンリルに種族進化までしたのよ!!

なのになんでレイの時は再生が追い付かないの!!


このままじゃ死んじゃう!!

そんな心の声が私を苦しめる

けど!!


『絶対に死なせない!!』

そう心に誓い肉食花の抽出液の原液の入ったアンプルの蓋を開け、一気に口に含んでくちづけしたままレイの体の中に流し込み・・・


再生の遅さに


もう一本・・


もう一本・・・


もう一本・・・・


未だダメ・・・

再生の遅さが気になって・・肉食花の抽出液の原液を私はもう一本肉食花の抽出液を口に含んでレイに口づけしレイの体の中に再度流し込む。

すると

レイに体が眩しく光って急速にレイの体の再生が始まった・・


私は気づいてしまった・・

辺りの人達が全員集まって切る事に!!

そうしてレイの体は着衣は全部燃えて裸・・・

私はローブをマジックポーチから取り出してレイの体に掛けてあげる。


あのまま再生を続けていたら、確実にお嫁に行けなくなっちゃう!!


『その時は私がちゃんとお嫁に貰ってあげるからね!!』


なんて余裕も生まれてきちゃってた。


再生は続いている・・

兎に角あのまま燃えていたら危なかった!!

自分だけが死のうなんて生意気よ!!


再生されて来た可愛い顔を見ていたら

つい・・


「あんたは生意気なんだから天使にでもなってしまいなさいよ!!天使の姿ならば皆から恋愛対象として見られなくなるしお胸も有れば女の子もこれ以上寄って来ないでしょ!!」


なんてぐちをこぼしちゃってた。

だって

最初この場所に落ちて来た時は、私とレイだけだったんだもの気にもしなかったけど!!

ドンドンと女の子を増やしちゃうんだもの!!


私だって嫉妬するわよ!!

この体を持つまでは、ただ淡々とこの世界を調整する事だけに意識を割いていて、こんな感情なんて持って居なかったもの・・・


人間の体って不便ね

色々な小さな事で悩んじゃう

苦しくなってしまうし


直ぐに疲れてしまう・・・


でも・・楽しい事も有る・・・

レイと・・

一緒にお茶したり

一緒にケーキ食べたり

一緒に手を繋いだり・・


キス・・・したり・・


「ううう・・」

やっと気が付いたみたい・・・

もう私置いて死のうとした事許さないんだから!!

「レイ!!」起きて」


私の声に反応したレイが目を開けて

私の顔を見たレイは


「あ・・めがみさま・・ここはてんごく・・なの?」


何寝ぼけちゃってるのよ!!

こんなに心配させて!!

「さ~てここは天国でしょうか?それとも・・・」

そう言って私は寝ぼけ眼の膝枕したままのレイに


(*´ε`*)チュッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



っと長~~~~~いくちづけをするのだった。


『私の気が済むまでこのままくちづけしちゃうんだから・・・少しは反省しなさい~レイ』


つづく・・・

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