第208話 208.助けを求めて来た夫婦

◇◇ レイ ◇◇


屋台を引いた若者達を送り出した後、シンデレラ城からメイドさんが俺達の所にやってきて

「探しましたよ~ご主人様~今オルコット商会の商隊の馬車が到着しまして、城塞都市メリアストロから夫婦を乗せてこられたのですが、そのご夫婦がご主人様に頼みたいことが有ると来られております」


あ~この忙しい時に・・・

どうしてこんなにも間が悪いんだ!!

今日はダンジョンから持ち帰ったリンゴフルーツの木を植えてリンゴ園を作ろうと思ってたのに~~

予定が狂っちまった。


「会うだけ会ってみるか」

俺達がシンデレラ城に着くとそこには20代くらいの男女が待っていて俺達を見ると不思議そうな表情をしている

まぁ~挨拶しとかなきゃ・・いけないよな?

「いらっしゃい。えっと私がこのエデンの領主という事になっていますレイ・ヤギリです。

そうして右から女神様、レイラ、クリスティーナ、クリスティーンになります」


そう紹介するとビックリしたように

「え?まさかあなたが領主様とは思わず失礼いたしました。私は城塞都市メリアストロから来ましたディーンそして妻のティーナでご・・・ごじゃいましゅす」


あちゃ~俺が若いから領主だとは思わずにびっくりして上がっちゃってかんじゃった?


「あまり硬くならなくて良いですよ。どう見ても私が領主だとは思わないでしょうからね。

最初は貫禄のあるアンジェリーナに任せるつもりだったんですか、いつの間にか私が表に出ちゃいました。ところでで私にお願い事が有るとお伺いしたのですが何でしょうか?」



「私達の住んでいる城塞都市メリアストロはこのエデンより北西に20キロ程離れた場所にございまして周囲役1キロ程の人口約5000人の小さな城塞都市です。

近年1キロ程離れた所にある隣の城塞都市デナストレアの領主が代替わりしまして、突然にメトリーノダンジョンは城塞都市デナストレアの物だと主張し戦争を仕掛けてくるようになったのです。

前の領主様が生きておられた頃は城塞都市デナストレアと城塞都市メリアストロは仲が良くメトリーノダンジョンの魔獣を共同で狩っていたのですが、ここ何年かはダンジョンに入ろうとするとダンジョンの外で睨みあうようになり戦争に発展してしまい結局ダンジョンに入れない状況となり、とうとうダンジョンの中から魔獣があふれ出しスタンピードを起こしてしまいました。

これにより戦争で疲弊した両城塞都市ではダンジョンから溢れ出した魔獣を駆除出来なくなり城塞都市滅亡の危機に瀕しています。どうかお助けお願い出来ないでしょうか?」


助けてくれったって・・・

「私達に出来る事と言えば、溢れた魔獣を駆除する位しか出来ませんよ?」

助けるったって何もかもは出来ないからな!!


「あの・・ですね?」

「改まって何でしょう?」

「昨日商隊の方から聞いたのですが、このエデンの領地は2万人の滅んだダナンの領民を受け入れたとお聞き致しました。出来れば我が城塞都市メリアストロの住民も受け入れてはもらえないでしょうか?」


何だって~~~

これ以上に受け入れろと?


「ドードー」

「女神様、すみませんつい興奮しちゃって、今でもダナンの領民に毎日配給して凌いでいる現状で5000人もの人をこれにもまして受け入れる事が出来ないですよ?」


って俺が難色を示すと


「この人達滅亡しちゃうよ?」

ってかわいく小首を斜めに折って俺の顔を下から見上げてくるんだ

『卑怯だ~その仕草!!』


つづく・・・

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