第206話 206.塩販売開始

◇◇ レイ ◇◇


今日で異世界に女神様と落ちて来て18日目

俺の対神対策はダナン領民を受け入れた為に全く進んでいない。

焦ってもしょうがないのは解ってはいるが・・・


『早く強くならなければ!!』

そんな気持ちが俺の心を追い詰める


こればかりは気持ちの問題でどうしようもない。


今日から製塩工場で生成した塩を大量に販売する為、昨日食堂兼お土産屋さんのオープンテラスの横に塩、砂糖販売所の建物を商隊の大口客用に建てたのだ。

商隊の馬車なんかを停める場所を少しへずらせてもらったけど許してもらおう!!

此処は食堂兼お土産屋さんで働く夫婦一組に切り盛りしてもらう予定。


「おはようハーマンさんそれにクラリッサさん」

「おはようございます領主様」

「おひゃようごじゃましゅ」

「クラリッサさんそう緊張しなくて良いから」

「だって領主様ですよ?緊張しましゅ」

「俺は好きで領主やってる訳じゃないからな~大体俺15歳でクラリッサさんよりも年下だからね?アンジェリーナに全部お任せだから俺はお飾り位に思ってれば良いよ」

「そんな~」


「じゃ~注意点だけ言っとくよ

塩は

一キロ入り袋 銀貨1枚

10キロ入り袋 大銀貨1枚

販売は無制限に販売して良いよ。表にある程度積んでいるけど、無くなってきたら裏の倉庫一杯に積んだ中から出して来て。


砂糖はこの透明な袋の1キロ入り 銀貨2枚のみ販売

あまり作れないから砂糖は1商隊100個まで限定にして欲しい。

今砂糖は 倉庫に1万袋しかないんだ。


倉庫の在庫が無くなりかけたらシンデレラ城のメイドさんに声を掛けて配達してもらってね


多分だけど商隊のお客さん、本当は有るだけ買いたいだろうけど馬車の積荷の関係でそんなには買えないと思うんだ。

多分この値段みて悔しがるだろうね」



そんな感じでハーマン、クラリッサ夫妻に販売を任せて


『塩・砂糖販売所』


が開店した訳だけど・・・

以前から1キロ入り砂糖・と塩は食堂兼お土産屋さんの方で数量制限で同じ値段で販売していたけど、此処は塩だけは数量制限無しだ。


10キロ入り塩が飛ぶように売れてゆく。

『転売目的・・・だな』


塩は現在城塞都市ラドスでしか生産されていない。

塩は城塞都市ラドスの言い値で販売されている為、塩10キロが金貨1枚という法外な値段で、城塞都市ラドスが戦略物資として使用しているから質が悪い。


『塩を売る代わりにこっちが買う商品も安くしろよな』


と言って無理やり安値で商品をむしり取る様にかっさらってゆく。

何処の城塞都市でも塩の事さえ無ければ、即刻関係を断ち切りたい所なのだそうだ。


塩の生産方法は極秘にされ門外不出

城塞都市ラドスでしか塩は入手できない物

だから城塞都市ラドスは強気に出てしまうのだ。


商隊の人々は

「くそっ~~もっともっと塩を買いたいが馬車に積めね~~もっと馬車を準備し解けば良かった」

・・・

そう悔しがりながらも

塩10キロ入り袋 200、300ととんでもない量を買い込んでゆく

塩10キロ入り大銀貨1枚で買っても、大銀貨5枚で売れば大銀貨4枚の儲け

それでも買った方は城塞都市ラドスの商人から買うよりも半値で買える


滞在していた商隊の人々はエデンの滞在を速めに切り上げ塩を馬車に積むなり急いで城塞都市へ向かって旅立ってゆくのだった。


塩製造設備は俺、レイラ、女神様、クリスティーナとクリスティーンの双子ちゃん以外は誰も知らない。

城塞都市ラドスでしか製造できない塩が、城塞都市ラドスで製塩した黄色いえぐみの多い塩よりも真っ白でえぐみの無い真っ白な塩が出回って、それも城塞都市ラドスで買うよりも半値以下で買えるとなれば挙って


『この塩は何処で作っているんだ!!直ぐに出所を探せ』


そうなるハズだ!!

直ぐにエデンで販売している事が解るだろう。

そうなった時に


『どうやって作ってるんだ!!』

そう思うに違いない

城塞都市は挙って密偵をエデンに送り込んで塩の製法を探ろうとするだろう。

ダナンの移転してきた人々を使って塩の袋詰めとか任せて仕事を作りだいのだが・・


兎に角、2万人以上が移転してきたんだ。

2万人と言っても、夫婦、子供、お爺ちゃん、お婆ちゃん合わせてだから世帯数にしたら?

二人家族だと1万世帯、3人世帯だと約6600世帯、4人家族だと5000世帯

少なくとも5000人の働き口を作らないといけないって事だ


気が遠くなる作業ジャン(;'∀')💦

俺ダナンの人達全部に仕事作れるんだろうか?


先はまだまだ長そうだ。


つづく・・・

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