第205話 205.ノートリアス城塞都市の困惑

◇◇◇◇


ここノートリアス城塞都市は人口20万の城塞都市

色々な城塞都市から商人達が集まり、自然と市が立ち商人達が珍しい商品の売り買いをして各城塞都市へ持ち帰り売り捌いている。

そうやってノートリアス城塞都市は発展して来た街である。


そうして、その流れが加速したのは先日行われたオークションとオーストン商会の会頭ヒューバート・オーストンが持ち込んだ商品に原因が有る。


今までは、代り映えのしない商品、ダンジョンからドロップした珍しい商品がオークションに出品されたとしてもそれ程変わり映えのしないドロップ品だったのだ。


先日行われたオークションでは

オーストン商会の会頭ヒューバート・オーストンが持ち込んだ商品


等身大の鏡

ウォーターベッド

水洗トイレの魔道具

水道の魔道具

シャワーの魔道具

そのどれもが、今まで誰も出品した事が無い品物だったのだ。

オークションの結果

等身大の限りなく美しい鏡:金貨100枚

『ウォーターベッド』金貨100枚

水洗トイレの魔道具 金貨200枚

水道の魔道具    金貨100枚

シャワーの魔道具  金貨100枚


全てがとんでもない金額で落札されたのだった。

そうしてその後正体不明の何処の誰とも解らない自分物が出品した品物が誰もが想像していなかった商品が次々に出品され


「『魔動キックボード』が金貨7000枚

『ミスリルの魔剣』  が金貨50万枚

『冷蔵冷凍庫』の魔道具 金貨10万枚

『ラウンドブリリアントカットのダイヤのネックレス』が金貨100万枚

『マジックポーチ(3メートル×3メート×3メートル)の物を収納』が金貨400万枚

『エリクサー』がは金貨1000万枚


どれもが信じられない金額で落札されていた。

高額商品の中には亡国となった人口10万人の城塞都市レンドリアの姫が出品され金貨2000枚で落札され、なんとその後もう一人亡国となった人口10万人の城塞都市レンドリアの姫が出品され双子だと解った。

もう一人も金貨2000枚で落札された。


この世界では奴隷の値段は物凄く安いのだ。

常に城塞都市同士が戦争をし、勝利した城塞都市は手中の治めた城塞都市の人間を城塞を拡張させる為の労働力としてしか見て居なく、奴隷になった負けた城塞都市の人間は死ぬまで一生城塞を築く家畜としてしか扱われない。


奴隷は買う物じゃ無い!!

欲しければ他の城塞都市を攻め滅ぼして好きなだけ奪えば良いのだ。

そういう訳でこの世界の奴隷の値段は物凄く安いのだ。


需要が有るとすれば見目麗しい超~美少女だけだ。

普通の容姿をした女性など欲しければ奪えば良いだけなのだ。


その奴隷に二人合計金貨4000枚を払って美少女が買った事も話題に上った。



そんなイレギュラーも有ったが、問題はオークションが終わった後、




『出品された魔道具は誰が出品した物なんだ!!』


主催者であるトラファルガーホテル支配人オズワルド・アシュリーの所にオークションに来ていた商人達が詰めかけそう言って詰め寄ったのだった。


中には

『エリクサーは誰が出品したんだ教えろ』 


そう言って商品を指定して問い詰める輩もいた。

しかし、主催者であるトラファルガーホテル支配人オズワルド・アシュリーは頑として、


「出品された方が秘密にして欲しいとご依頼が有りましたので絶対に教える事は出来ません。もし貴方がエリクサーを持っているとしたら誰かに教えますかな?全ての怪我を治せる『エリクサー』を持っているだけで命を狙われるかもしれないのですよ?」


そう言って一切教える事は無かった。

もう一人人口20万の城塞都市ノートリアスの領主親子夫妻がVIPの隣同士だったエデンの少女が出品した事は解っていたがノートリアスの領主親子夫妻もその少女が出品した事は洩らさなかった。


領主親子のアラベラ奥様とアイリス奥様に少女からオークションに出品されたものと同じ金貨100万枚もする『ラウンドブリリアントカットのダイヤのネックレス』を貰った事も有って今後エデンとの取引を有利に進めたい思惑が有ったのかどうか本人しか解らない。


◇◇◇◇


商人達は必至でオークションにレアアイテムや魔道具、そして『エリクサー』を出品した人間の追跡をしていたが、怪しい人物を見つけた。

それは、オーストン商会の会頭ヒューバート・オーストンだ。

オーストン商会は街の中で馬車で色々な物を販売していたのだが・・・


誰も見た事も無い、キラキラと光るカットグラスや、鮮明に映る手鏡、透き通るような真っ白な陶器で作られた食器、スプーン、フォーク、そうして1キロ大銀貨1枚はする塩を何と小銀貨5枚で販売飛ぶように売れていた。

それに市中には殆ど出回らない砂糖、それに付け加えて考えられないように真っ白な砂糖だったのだ。

それが1キロ小銀貨6枚で販売していた。


今まで持た事も無い食器類

そして考えられない程安い塩と砂糖

それに貴婦人から羨望の眼差しで即時に完売していた婦人用下着にドレス


『奴は何者なんだ!!』


商人の勘!!

これだけの物を用意出来る財力

そうしてオーストン商会が金貨1枚で販売していた世にも不思議なメロンフルーツという果物!!


オーストン商会はその1個金貨1枚はする果物を無料で試食させてくれるというのだ!!

タダ・・薄く切ったメロンフルーツの一欠片だが


道行く商人は全員

「あの商会の会頭ヒューバート・オーストンはバカだろ」

と嘲り笑っていたのだった。


『金貨1枚を見せればその金貨1枚はするメロンフルーツの一欠片を食べさせてくれると言うのだ!!』


金貨1枚を持っている人々は金貨1枚を見せて挙ってその試食に挑んだのだった。


「あいつはバカだな。一欠片でも無料で食べれるんだ。誰が金なんて払って買うかよ。今日はバカな商人に出会えてラッキーだったな」


そう心の中で呟きながら、金貨1枚をオーストン商会の会頭ヒューバート・オーストンに見せながらオーストン商会の会頭からメロンフルーツに薄い一欠片を受け取りニマニマしながら口に入れた途端


「うめぇ~~こりゃ~何だ!!もう一枚食わせてくれ」


と懇願するのだが・・・

「いえおひとり様一度だけのサービスです」

と言って絶対に提供しなかつたのだった。

メロンフルーツは禁断症状が出る。メロンフルーツを食べるとメロンフルーツを見るだけで禁断症状が出る。


『麻薬のようにメロンフルーツを見ただけで抑えられない空腹感が襲ってきて耐えられない』


「頼む食べさせてくれ」

「買ってくれたら良いですよ?」


そうして一度食べた人達は目の前のメロンフルーツ欲しさに握り締めた金貨とにらめっこし・・・


「親父メロンフルーツ1個くれ」


と言ってメロンフルーツを金貨1枚を払って受け取るのだった。


「このフルーツは何処で手に入る」

「誰から買ったんだ教えろ」

・・

と問い詰められると

「私も旅の業者に頼まれて売ってるだけですよ?旅の業者は次に会う時に代金を受け取りますっていってたな~」


と話して聞かせるのだが・・

「嘘つくんじゃね~」

オーストン商会の会頭ヒューバート・オーストンは商人達の追及に、これは水道の魔道具とか水洗トイレとかも売り捌こうと思ったんだが・・ヤバいな

俺が持ってる事を知られたら、狙われそうだ・・

来月のオークションでまた売り捌くしか無いか(;'∀')💦

と戦々恐々魔道具だけはノートリアス城塞都市の市場で売り捌くのは諦めるのだった。


・・・


そうするうちに・・・

「ノートリアス城塞都市に凄いお宝が出たらしい」


とか・・


「トラファルガーホテルの最上階は予約が3年後まで詰まっているらしいぞ。あの最上階は超~レイアイテムや凄いお宝で飾られているっていう噂だ。それにトラファルガーホテルの最上階はシャワーの魔道具ってのが有って物凄く気持ちが良いらしい」


そんな噂がドンドンと流れ・・・


「珍しいアイテムを手に入れたいならノートリアス城塞都市に行け」


と言われるようにまったのだった。



つづく・・・

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